NHK朝ドラ『ばけばけ』の松江聖地巡礼に合う宿として、編集部が選んだ中規模ホテル 6 軒を紹介する。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と妻セツが暮らした松江は、松江城・塩見縄手の武家屋敷・小泉八雲旧居・城山稲荷神社・月照寺といったゆかりの地が城下町に密集する街である。本記事では、これらを歩いて巡れる城下町徒歩圏の宿と、JR山陰本線で松江駅から一駅圏に下がった玉造温泉の宿を、ロケ地巡り 1 泊 2 日の動線として結ぶ。城下町で歩き、温泉で締める旅程を組みたい人に向けた一覧である。
| # | ホテル | エリア | Score | 客室 | 1行特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 松江ニューアーバンホテル | 宍道湖畔・松江駅圏 | 90 | 101 | 宍道湖を望む展望温泉、城下町へバス便の良い湖畔ツインホテル |
| 2 | 天然温泉だんだんの湯 御宿野乃松江 | 松江駅前 | 90 | 199 | 全館畳敷き+最上階の天然温泉、駅近で動線が組みやすい |
| 3 | 松江エクセルホテル東急 | 松江駅前 | 89 | 163 | JR松江駅至近、交通結節点に立つ運営の安定したブランドホテル |
| 4 | 佳翠苑 皆美 | 玉造温泉 | 93 | 115 | 宍道湖畔の老舗の流れを汲む、数寄屋風の純和風旅館 |
| 5 | 曲水の庭 ホテル玉泉 | 玉造温泉 | 92 | 124 | 玉造温泉最大級の大浴場と、回遊式の日本庭園「曲水の庭」 |
| 6 | 湯之助の宿 長楽園 | 玉造温泉 | 91 | 69 | 120坪・日本一とされる混浴大露天「龍宮の湯」を持つ老舗 |
※ 本記事の宿選定・スコアは公開レビューデータを集計したうえで、立地・規模・テーマ適合度を編集部が評価したものです。地図上の「八」マーカーは小泉八雲ゆかりの地を示します。
1. 松江ニューアーバンホテル — 松江市(宍道湖畔)
宍道湖を正面に望む展望温泉を持つ湖畔のツインホテル。城下町と湖の夕景、両方を視野に入れた拠点として推したい一軒。
HotelPicks Score: 90 / 100 101室、宍道湖畔の中規模シティホテル。

なぜ選ばれるか
宍道湖の湖畔に立ち、上層階の展望温泉大浴場から日本有数とされる宍道湖の夕日を眺められる点が、この宿の核である。松江城・塩見縄手の城下町エリアへはレイクライン(観光ループバス)や徒歩・タクシーでアプローチでき、ロケ地巡りの拠点に据えやすい。令和に入って別館客室を全面改装し、湖側の眺望と新しい客室設備を両立させている。湖を見て一日を終える滞在を組みたい旅程に合う。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、宍道湖の夕景と展望温泉への評価が一貫して高い傾向が読み取れる。スタッフ対応や清掃の安定感を支持する声も厚い。一方で、城下町ど真ん中ではなく湖畔に位置するため、塩見縄手まで歩いて数分という距離感を期待すると印象が分かれる。湖の眺めを取るか、城下町直近を取るかで評価が分かれる宿だと言える。
向く人 / 向かない人
- 向く: 宍道湖の夕景を滞在の軸にしたい旅、温泉と城下町散策を一泊で両立したい旅程、湖畔の静けさを好む二人旅
- 向かない: 塩見縄手まで徒歩数分の至近を最優先する人、車を使わず夜も城下町中心で動きたい旅程
具体情報
- 最寄り駅: JR松江駅からタクシー約7分(観光ループバスでもアクセス可)
- 松江城まで: 車・バスで約10分(城下町徒歩圏の入口まで)
- 客室: 本館・別館のツイン中心、別館は改装済み
- 温泉: 宍道湖を望む展望温泉大浴場
- 創業: 1984年
2. 天然温泉だんだんの湯 御宿野乃松江 — 松江市(松江駅前)
全館畳敷き、最上階に天然温泉。松江駅から歩いて城下町に向かう動線を、最も組みやすい和の駅前ホテル。
HotelPicks Score: 90 / 100 199室、全館畳敷きの温泉付き駅前ホテル。

なぜ選ばれるか
松江駅から徒歩圏に立つ和風プレミアムの駅前ホテルで、館内は土足を脱いで過ごす全館畳敷き。最上階には露天を含む天然温泉大浴場があり、城下町を歩き回った一日を駅近で締められる。割子そばや海鮮丼を取り入れた朝食、夜鳴きそばなど、和の体験が滞在に組み込まれている点も、八雲文学の聖地を巡る旅の空気に合う。駅・城下町・玉造方面への移動の起点として、最も汎用性が高い一軒である。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、最上階温泉・畳の快適さ・朝食の評価が安定して高い。畳に靴を脱いで上がる体験は、訪日リピーターからの支持も読み取れる。比較的新しい施設で設備面の不満は少ない一方、駅前の都市型ホテルゆえ「温泉旅館的な静けさ」を強く求める層とは方向性が異なる。利便と和の快適さの両取りを評価する声が中心だと言える。
向く人 / 向かない人
- 向く: 駅起点で城下町と玉造を効率よく回りたい旅程、和の設えを好む訪日リピーター、温泉と利便を両立したい一人旅
- 向かない: 客室での会席や仲居の接遇など旅館的サービスを望む人、駅前の喧騒を避け静寂を最優先する旅
具体情報
- 最寄り駅: JR松江駅から徒歩約12分
- 松江城まで: 車・バスで約10分/城下町徒歩圏へアクセス良好
- 温泉: 最上階に天然温泉大浴場(露天・サウナ・水風呂)
- 食事: 朝食ビュッフェ(割子そば・海鮮丼など郷土色)、夜鳴きそば提供
- 客室: 全館畳敷きの和風設え
3. 松江エクセルホテル東急 — 松江市(松江駅前)
JR松江駅から徒歩数分。城下町巡りと玉造方面の移動、その両方の起点になる交通結節点のブランドホテル。
HotelPicks Score: 89 / 100 163室、松江駅前のブランドシティホテル。

なぜ選ばれるか
JR松江駅の北口から徒歩数分という立地が、この宿最大の強みである。城下町行きの観光ループバスも駅前から発着し、玉造温泉駅へも山陰本線で一駅圏という動線の中心に立つ。全国チェーンならではの運営の安定感があり、出張から観光まで間口が広い。聖地巡礼で複数のスポットを効率よく回り、夜は確実に整った客室へ戻りたい——そうした計画重視の旅程に合う、堅実な拠点と言える。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、駅至近のアクセスと運営の安定性への評価が突出する。客室・接客とも大きな不満が出にくく、初めての松江でも安心して選べる宿という位置づけが読み取れる。一方、温泉大浴場を備える駅前の他館と比べると、湯を主目的にする層には物足りなさが残ることがある。立地と安定運営を主軸に評価される宿だと言える。
向く人 / 向かない人
- 向く: 駅至近で計画的にロケ地を回りたい旅、運営の安定を重視する初めての松江、城下町と玉造の両方を起点から動きたい旅程
- 向かない: 大浴場・温泉を滞在の主目的にする人、旅館的な和の情緒を求める旅
具体情報
- 最寄り駅: JR松江駅 北口から徒歩約3分
- 城下町: 駅前から観光ループバスで松江城・塩見縄手へ約10〜15分
- 玉造温泉: JR山陰本線で松江駅から玉造温泉駅まで約10〜15分(一駅圏)
- 客室: シングル〜ツイン中心のシティホテル仕様
- 運営: 東急ホテルズ系ブランド
4. 佳翠苑 皆美 — 松江市玉湯町(玉造温泉)
宍道湖畔の老舗の流れを汲む、数寄屋風の純和風旅館。城下町を歩いた一日を、一駅先の名湯で締める一軒。
HotelPicks Score: 93 / 100 115室、玉造温泉の大型純和風旅館。

なぜ選ばれるか
宍道湖畔で創業130余年を数える老舗「皆美館」の流れを汲む大型旅館で、数寄屋風の設えと手入れの行き届いた庭が和の格を支える。展望風呂や手湯・足湯を含む湯まわり、皆美グループの伝統である家伝料理が滞在の核となる。玉造温泉駅から松江駅へは山陰本線で一駅圏のため、城下町でのロケ地巡りを終えた夜に名湯と会席でしめる旅程に的確に収まる。今回の6軒で最も和の体験が際立つ一軒である。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、料理と接遇への高い評価が一貫しており、純和風の設えと湯の満足度も厚い支持を集める。記念日や家族の節目で選ばれる傾向も読み取れる。規模の大きな旅館ゆえ、こぢんまりした隠れ宿的な静けさを求める層とは方向性が異なるが、もてなしの総合力でこのエリアの基準を作る一軒だと言える。
向く人 / 向かない人
- 向く: 城下町散策後に名湯と会席で締めたい旅、記念日・三世代の旅、和の様式を堪能したい訪日客
- 向かない: 少室の隠れ宿的な静けさを最優先する人、城下町の史跡まで徒歩数分の至近を求める旅程
具体情報
- 最寄り駅: JR玉造温泉駅からタクシー約5分(送迎の案内あり)
- 松江駅まで: JR山陰本線で玉造温泉駅から約10〜15分(一駅圏)
- 湯まわり: 展望風呂・手湯・足湯を含む湯処
- 食事: 皆美グループの伝統を引く会席(家伝料理)
- 創業: 本家「皆美館」は1888年創業
5. 曲水の庭 ホテル玉泉 — 松江市玉湯町(玉造温泉)
玉造温泉最大級の大浴場と、回遊式の日本庭園「曲水の庭」。湯と庭で一日の疲れをほどく玉造の中核宿。
HotelPicks Score: 92 / 100 124室、玉造温泉の大型温泉ホテル。

なぜ選ばれるか
檜の湯と巌の湯という趣の異なる二つの大浴場を持ち、いずれも多人数が同時に入れる玉造最大級の規模を誇る。中庭には日本松と曲水が映える回遊式庭園「曲水の庭」が広がり、篝火を焚く夕暮れの演出も名物となっている。2025年には出雲・玉造の歴史と自然をテーマに客室を全面改装し、和の空間に快適なベッドを備えた。湯量・庭・客室の更新が三拍子そろう、玉造滞在の安定した中核宿と言える。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、大浴場の広さと開放感、庭園の美しさへの評価が安定して高い。改装後の客室を評価する声も増えており、設備面の満足度は底堅い。大型館ゆえ繁忙期は賑わいが出るため、徹底した静寂を求める層とは相性が分かれる場面もあるが、湯と庭という温泉宿の王道を高い水準で押さえた一軒だと言える。
向く人 / 向かない人
- 向く: 広い大浴場でゆったり湯に浸かりたい旅、庭園のある宿を好む旅、改装後の新しい客室を求める旅程
- 向かない: 小規模宿の静寂を最優先する人、城下町の史跡まで徒歩数分を求める旅程
具体情報
- 最寄り駅: JR玉造温泉駅からタクシー約5分(送迎の案内あり)
- 松江駅まで: JR山陰本線で約10〜15分(一駅圏)
- 大浴場: 檜の湯・巌の湯の2か所、玉造温泉最大級の規模
- 庭園: 回遊式の日本庭園「曲水の庭」、夕刻に篝火
- 客室: 2025年に全面改装
6. 湯之助の宿 長楽園 — 松江市玉湯町(玉造温泉)
120坪、日本一とされる混浴大露天「龍宮の湯」を持つ松江藩ゆかりの老舗。湯そのものを目的に泊まる一軒。
HotelPicks Score: 91 / 100 69室、玉造温泉の歴史ある老舗旅館。

なぜ選ばれるか
松江藩から玉造の湯を管理する「湯之助」の役を受け継いだ老舗で、120坪・日本一とも称される混浴大露天「龍宮の湯」が看板である。加水・加温をしない源泉をそのまま満たした湯は、玉造の泉質をもっとも素直に味わえる一つと言える。日本庭園も庭ランキングで評価を得ており、歴史・湯・庭が一体となった滞在が叶う。湯そのものを旅の主目的に据えたい人に、6軒のなかでもとりわけ推したい一軒である。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、大露天「龍宮の湯」の開放感と源泉の質への評価が群を抜く。歴史ある建物と庭の風情を支持する声も厚い。一方、混浴の大露天という性格上、利用に向き不向きの差が出やすく、湯の個性が評価を二分する場面もある。湯を旅の中心に置く層からは、唯一無二の体験として高く支持される宿だと言える。
向く人 / 向かない人
- 向く: 源泉と大露天を旅の主目的にする人、歴史ある老舗の風情を好む旅、庭のある宿を求める旅程
- 向かない: 混浴の大露天に抵抗がある人、最新設備のホテル的な快適さを最優先する旅、城下町至近を求める旅程
具体情報
- 最寄り駅: JR玉造温泉駅からタクシー約5分(送迎の案内あり)
- 松江駅まで: JR山陰本線で約10〜15分(一駅圏)
- 名物: 120坪・混浴大露天「龍宮の湯」、源泉100%(加水・加温なし)
- 庭園: 庭ランキングで評価される日本庭園
- 由緒: 松江藩の「湯之助」を継ぐ老舗(住所: 島根県松江市玉湯町玉造323)
よくある質問
Q. 『ばけばけ』ロケ地巡りのベストシーズンはいつですか?
A. 朝ドラ放送に合わせ、2026年の夏から秋にかけてが聖地巡礼のピークと見込まれる。新緑から夏は塩見縄手の堀川沿いが涼しく歩きやすく、秋は城下町の落ち着いた景観が映える。週末・連休は宿が埋まりやすいため、編集部が推すのは平日を軸にした一泊二日の組み立てである。
Q. 予約のタイミングは?
A. 朝ドラ需要で松江市内の中規模宿は週末から先に埋まる傾向がある。玉造温泉の人気旅館は連休・記念日シーズンで一〜二か月前には選択肢が狭まるため、日程が決まり次第早めに押さえるのが無難。平日泊は比較的直前まで空きが残りやすい。
Q. 城下町徒歩圏と玉造温泉、どちらに泊まるべきですか?
A. 史跡を歩く時間を最大化したいなら松江駅前の3軒(ニューアーバン・野乃・東急)、湯でしめたいなら玉造温泉の3軒(皆美・玉泉・長楽園)が軸になる。両者はJR山陰本線で一駅圏のため、初日を駅前、二日目を玉造に分ける二泊構成も組みやすい。
Q. アクセスは?
A. 松江市の玄関口はJR松江駅で、出雲縁結び空港から連絡バスで約30分、米子空港からも乗り継ぎで到達できる。城下町(松江城・塩見縄手)へは駅前から観光ループバスで約10〜15分。玉造温泉へは山陰本線で松江駅から一駅、玉造温泉駅から各旅館へは送迎やタクシーが利用できる。
Q. インバウンド客の利用は?
A. 小泉八雲の文学を目的に訪れる欧米の二回目訪日層と、朝ドラ起点の国内ファンが重なるのが松江聖地巡礼の特徴である。全館畳敷きの和風ホテルや純和風旅館は、和の様式を体験したい訪日リピーターからの評価が読み取れる。駅前のブランドホテルは言語面の対応が比較的整い、初めての山陰でも動きやすい。
本記事の参考情報
・しまね観光ナビ(島根県公式観光情報サイト) — 松江・玉造温泉エリアの観光情報
・Wikipedia: 小泉八雲 — ラフカディオ・ハーンと松江の関わりの背景
・玉造温泉公式サイト・たまなび — 玉造温泉の宿・湯の情報
編集部から
『ばけばけ』が描く松江は、史跡を点で訪ねるだけでは見えてこない。城下町の堀沿いを昼に歩き、夜に一駅下がって古湯に身を沈める——その昼と夜の往復のなかに、小泉八雲が愛した「古い日本」の時間が立ち上がる。今回の6軒は、城下町徒歩圏で動きやすい松江駅前の3軒と、湯でしめる玉造温泉の3軒という二極で構成した。どちらを起点にしても、地図上のゆかりの地を結ぶ一本の動線が引ける。あなたなら、城下町の昼から始めるだろうか、それとも玉造の湯から旅を組み立てるだろうか。