蔵王と銀山温泉で紅葉と露天風呂を一度に味わえる大人の温泉旅館として、編集部が選んだ5軒を紹介します。標高1,000mを超える蔵王は、東北の平地より一足早く10月中旬に山の色づきが見頃を迎えます。関東甲信の紅葉がまだ始まらないこの時期に、色づいた山を湯船から眺める。そんな二人旅のための宿を、公開レビューデータを集計したスコアと、露天風呂の眺め・湯の個性・宿の規模をもとに絞り込みました。硫黄の香る蔵王温泉の白濁湯と、大正の街並みに湧く銀山温泉の湯。泉質も景色も異なる二つの温泉地を比べながら、夫婦や友人同士の秋の旅程に合う一軒を探せる構成です。
| # | ホテル | エリア | Score | 客室 | 目安価格 | 1行特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 竹泉荘 Mt.Zao Onsen Resort & Spa | 宮城県蔵王町 | 92 | 30 | ¥140–¥228k | 森の中のウッドデッキ露天と、100㎡超のスイートを備える山のリゾート |
| 2 | 岩清水料理の宿 季の里 | 山形市蔵王温泉 | 91 | 20 | ¥47–¥59k | 源泉掛け流しの離れ半露天で、白濁の硫黄泉と山の眺めを味わう |
| 3 | 深山荘 高見屋 | 山形市蔵王温泉 | 90 | 19 | ¥57–¥79k | 享保元年創業。自家源泉を9つの浴槽に掛け流す蔵王温泉の老舗 |
| 4 | 滝と蕎麦の宿 瀧見舘 | 尾花沢市銀山温泉 | 88 | 18 | ¥70–¥82k | 高台の展望露天風呂から、眼下に白銀の滝と銀山の木々を望む |
| 5 | 能登屋旅館 | 尾花沢市銀山温泉 | 87 | 15 | — | 明治25年創業、木造三階建て。登録有形文化財の建物に泊まる |
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。
1. 竹泉荘 Mt.Zao Onsen Resort & Spa — 宮城県蔵王町
蔵王の麓、約2万坪の森に30室。木立の中の露天風呂で紅葉を眺める、東北屈指の山のリゾートです。
HotelPicks Score: 92 / 100 30室、温泉リゾートホテル。
目安価格 ¥140,000–¥228,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
紅葉と露天風呂という本記事のテーマに、最も素直に応える一軒です。理由は三つあります。ひとつは、木々の間にウッドデッキを渡した開放的な露天風呂と、渓流を望む岩の露天風呂の両方があり、どちらも源泉掛け流しであること。二つめは、無料で使える貸切露天風呂が2つ用意され、二人だけで湯と景色を独占できること。三つめは、平均約48㎡のデラックスから100㎡を超えるスイートまで客室に余裕があり、専用の露天風呂を備えたタイプも選べることです。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、評価の中心にあるのは敷地の静けさと森の景観、そして客室の広さです。記念日や夫婦の節目の旅に使われる傾向がはっきりしており、館内のアート作品や落ち着いた設えへの評価も目立ちます。食事は会席と鉄板焼きの選択肢があり、満足度は総じて高い水準にあります。一方で価格帯は本記事の中で突出して高く、費用に見合う滞在かどうかを重視する層では評価が分かれやすい宿と言えます。
向く人 / 向かない人
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向く:
記念日や節目の夫婦旅、客室付き露天風呂で人目を気にせず紅葉を眺めたい二人、温泉街の賑わいより森の静けさを優先する旅程 -
向かない:
予算を抑えたい旅(本記事で最も高い価格帯)、浴衣で温泉街をそぞろ歩きしたい人(宿は森の中に独立して立つ)、公共交通だけで身軽に移動したい旅程(駅からの距離がある)
具体情報
- 最寄り駅: JR白石蔵王駅からタクシー約40分(路線バス約50分)
- 客室サイズ: 43.5〜134.3 ㎡(ラグジュアリースイートは専用露天風呂付きタイプあり)
- 温泉: 男女大浴場(露天・内湯)、貸切露天風呂2つ(無料・チェックイン後予約制)、全施設源泉掛け流し
- 泉質: ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉
- 食事: 夕食は会席または鉄板焼き、朝食は土鍋炊きの白飯を中心とした和朝食
- 所在地: 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉字上ノ原88-11
2. 岩清水料理の宿 季の里 — 山形市蔵王温泉
白濁した強酸性の硫黄泉を、離れの半露天で掛け流しで。蔵王温泉の湯の個性を最も手頃に味わえる20室の宿です。
HotelPicks Score: 91 / 100 20室、温泉旅館。
目安価格 ¥47,000–¥59,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
蔵王温泉らしい湯を、落ち着いた規模の宿で味わいたい二人に向く一軒です。本館とは別棟の離れ「代吉の湯」は、檜の香る半露天風呂に上の川源泉の白濁湯を掛け流しています。蔵王の山並みを眺めながら浸かれる開放感があり、足湯も併設されています。館内の大浴場はアルカリ性の天然水風呂で、強酸性の源泉と入り比べられるのも特徴です。客室は20室。和モダンに改装したツインなど、畳が苦手な人でも選べる構成になっています。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、本記事の5軒の中で湯と食事の評価が最も安定して高い水準にあります。宿の名が示す通り、山形の食材を使った料理への支持が厚く、白濁湯の個性と合わせて宿の印象を形づくっています。規模が小さく運営の目が行き届いている点も、評価を支える要素と見て取れます。一方、離れの湯へは駐車場を挟んで行き来する造りで、入浴時間は夜22時までと限られるため、深夜や早朝に湯へ行きたい人には物足りない面があります。
向く人 / 向かない人
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向く:
蔵王温泉の白濁湯を主目的にする二人旅、食事の満足度を重視する旅程、価格を抑えつつ紅葉期の蔵王に泊まりたい人 -
向かない:
客室付きの露天風呂を求める人(露天は共用の離れ湯)、深夜や早朝に入浴したい人(離れの湯は6:30〜22:00)、肌の弱い人(強酸性の湯は刺激を感じやすい)
具体情報
- 最寄り駅: JR山形駅から蔵王温泉行きバスで約40分
- 客室: 20室(和室8畳・10畳、デラックス和室、和モダンツイン、ラグジュアリー和モダンツイン 28 ㎡ ほか)
- チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
- 温泉: 離れ半露天風呂「代吉の湯」(源泉掛け流し・6:30〜22:00)、足湯、内湯大浴場(天然水風呂)
- 泉質: 含硫化水素強酸性明ばん緑ばん泉(上の川源泉)
- 駐車場: 無料(普通車20台)
3. 深山荘 高見屋 — 山形市蔵王温泉
享保元年創業、300年続く蔵王温泉の老舗。自家源泉を9つの浴槽に掛け流す、湯めぐりのための19室です。
HotelPicks Score: 90 / 100 19室、温泉旅館。
目安価格 ¥57,000–¥79,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
歴史と湯の量で選ぶなら、蔵王温泉ではまずこの宿です。享保元年(1716年)の創業以来、自家源泉を守り続けてきた老舗で、館内の9つの浴槽すべてに源泉を掛け流しています。一泊のあいだに湯船を替えながら湯めぐりができるのは、この規模の宿では珍しい体験です。蔵を一棟改装した客室「雛蔵」は約110㎡。蔵王温泉で唯一、源泉掛け流しの客室露天風呂を備える特別室として、紅葉期の二人旅の選択肢になります。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、評価の軸は湯の質と老舗らしい設え、そして客室ごとに異なる趣にあります。温泉街の中心に近く、散策の拠点として使いやすい立地も支持されています。蔵を改装した客室や、工業デザイナーが手がけた露天風呂付きの客室棟など、客室タイプによって体験の幅が大きいのも特徴です。一方、歴史のある建物ゆえに館内の移動に段差や階段がある点は、評価が分かれやすい部分として見て取れます。
向く人 / 向かない人
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向く:
複数の湯船で湯めぐりをしたい温泉好きの二人、老舗旅館の歴史や建物に惹かれる人、温泉街の散策を旅程に組み込みたい人 -
向かない:
段差の少ない館内を望む人(歴史ある建物で移動に階段がある)、客室露天は必ず温泉がよい人(離庵山水の露天は温泉ではない)、硫黄の香りが苦手な人
具体情報
- 最寄り駅: JR山形駅からバスで蔵王温泉バスターミナルまで約40分(ターミナルから無料送迎あり)
- 客室: 19室。特別室「雛蔵」は約110 ㎡(源泉掛け流しの客室露天風呂付き)
- 温泉: 自家源泉を9つの浴槽に100%掛け流し
- 食事: 夕食は山形の食材を使った和食、朝食は郷土料理を中心とした和食膳
- 創業: 1716年(享保元年)
- 注意: 蔵王エコーラインは冬期(11月〜4月末)通行止め
4. 滝と蕎麦の宿 瀧見舘 — 尾花沢市銀山温泉
銀山温泉の高台に立ち、展望露天風呂の眼下に白銀の滝。銀山で紅葉と露天を両立させるなら、まずこの一軒です。
HotelPicks Score: 88 / 100 18室、温泉旅館。
目安価格 ¥70,000–¥82,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
銀山温泉の宿の多くは川沿いの温泉街に並び、建物の風情が主役になります。瀧見舘はその温泉街の奥、高台に立つことで、露天風呂の眺めを主役にできた数少ない宿です。展望露天風呂は銀山の木々に囲まれ、眼下に白銀の滝を望む位置にあります。紅葉期には、色づいた木々と滝の白さの対比を湯船から眺められます。貸切風呂は清掃時間を除いて24時間使え、二人で湯を独占しやすいのも利点です。宿の名にある通り、代々受け継がれた自家製の手打ち蕎麦も楽しみのひとつです。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、露天風呂からの景観と、蕎麦を含む食事への評価が宿の印象を支えています。温泉街の賑わいから一歩離れた立地に落ち着きを感じる声が多く、紅葉や新緑の季節に評価が高まる傾向も読み取れます。一方で、温泉街の中心へは坂を歩いて行き来する必要があり、夜のガス灯の街並みを何度も往復したい人には距離が気になる場合があります。
向く人 / 向かない人
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向く:
銀山温泉で露天風呂の眺めを最優先する二人旅、蕎麦や山形の郷土料理を楽しみたい人、温泉街の喧騒から少し離れて泊まりたい人 -
向かない:
大正の街並みに面した建物そのものに泊まりたい人(宿は高台にある)、坂道の歩行が負担になる人、客室付き露天風呂を必須とする人
具体情報
- 最寄り駅: JR大石田駅から銀山温泉行きバスで約40分
- 客室: 18室
- チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
- 温泉: 展望露天風呂・大浴場(11:00〜翌9:00)、貸切風呂(24時間・清掃時間を除く)
- 泉質: 含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
- 駐車場: あり(無料)
5. 能登屋旅館 — 尾花沢市銀山温泉
明治25年創業、木造三階建ての登録有形文化財。銀山温泉の風景そのものに泊まる15室の宿です。
HotelPicks Score: 87 / 100 15室、温泉旅館。

なぜ選ばれるか
銀山温泉と聞いて多くの人が思い浮かべる、川沿いに木造の多層建築が並ぶ景色。その中心に立つのが能登屋旅館です。明治25年(1892年)の創業で、木造三階建ての建物は登録有形文化財に指定されています。紅葉の時期、色づいた山を背にした建物の姿は、泊まる人だけが朝夕の静かな時間に眺められる特権と言えます。湯は源泉掛け流しで、男女別の大浴場のほか、かつて元湯として使われた地下の洞窟風呂を貸切で利用できます。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、建物の風情と温泉街の中心という立地への評価が際立っています。客室の窓から見る銀山川やガス灯の夜景が滞在の印象を決めている傾向があり、洞窟風呂の珍しさも支持されています。一方、古い木造建築ならではの音の伝わりやすさ、設備の古さについては評価が分かれるところです。高台の展望露天風呂は、公式サイトによると2025年秋に周辺で熊の出没が報告されたため、そのシーズンは閉鎖されました。露天を旅の主目的にする場合は、予約時に現在の利用可否を確かめてください。
向く人 / 向かない人
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向く:
銀山温泉の街並みそのものを滞在の主役にしたい二人、歴史的建造物に泊まる体験を求める人、夜と早朝の静かな温泉街を歩きたい人 -
向かない:
展望露天風呂を旅の必須条件にする人(閉鎖期間がある)、防音性や新しい設備を重視する人、階段の多い建物が負担になる人
具体情報
- 最寄り駅: JR大石田駅から銀山温泉行きバスで約40分(大石田駅発の送迎バスは要問い合わせ)
- 客室: 15室(本館・別館)
- チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜10:30
- 温泉: 男女大浴場、地下洞窟風呂(貸切)、展望露天風呂(貸切・季節や状況により閉鎖あり)
- 創業: 1892年(明治25年)、木造三階建て・登録有形文化財
- 駐車場: 宿泊者専用 15台
よくある質問
Q. 蔵王と銀山温泉の紅葉の見頃はいつですか?
A. 蔵王は標高によって見頃がずれます。御釜や刈田岳の周辺など山上部は10月上旬〜中旬、蔵王温泉や遠刈田温泉の麓は10月中旬〜下旬が目安です。銀山温泉は10月下旬〜11月上旬に色づきが深まる年が多く、一度の旅で両方を回るなら10月中旬〜下旬が編集部の推す時期です。年ごとの気温で前後するため、直前に各観光協会の情報を確かめてください。
Q. 予約はどのくらい前から埋まり始めますか?
A. 紅葉期の週末、特に10月の連休前後は数か月前から客室が減り始めます。銀山温泉は宿の数が限られ、客室数も15〜20室前後の宿が中心のため、早めの手配が確実です。平日泊は比較的取りやすく、価格も週末より落ち着く傾向があります。
Q. 子連れでも泊まれますか?
A. 5軒とも子連れの宿泊自体はできますが、本記事は大人二人の旅を想定して選んでいます。竹泉荘は客室が広く、定員4名のスイートもあるため家族でも過ごしやすい構成です。能登屋旅館や深山荘 高見屋は歴史ある建物で階段が多く、季の里の強酸性の湯は小さな子どもの肌には刺激が強い点に注意が必要です。
Q. 蔵王と銀山温泉はどう回ればよいですか?
A. 蔵王温泉へはJR山形駅からバスで約40分、銀山温泉へはJR大石田駅からバスで約40分です。山形駅と大石田駅は山形新幹線で結ばれているため、1泊目を蔵王、2泊目を銀山温泉とする二泊の旅程が組みやすくなっています。宮城側の竹泉荘へはJR白石蔵王駅からタクシーで約40分です。10月は蔵王エコーラインが通行でき、車なら山形側と宮城側を御釜経由で行き来できます。
Q. 泉質の違いで宿を選ぶなら?
A. 蔵王温泉は強酸性の白濁した硫黄泉で、湯の個性の強さを味わいたいなら季の里か深山荘 高見屋が合います。銀山温泉は塩化物泉系の湯で、瀧見舘の湯は硫黄を含むナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉です。宮城側の竹泉荘は炭酸水素塩を含む湯で、肌あたりの穏やかな湯を求める人に向きます。
Q. インバウンド客の利用は?
A. 銀山温泉は大正ロマンの街並みが海外でも広く知られ、紅葉期や雪の季節には海外からの旅行者が多く訪れます。季の里と竹泉荘の公式サイトは英語などの多言語ページを用意しています。温泉街の混雑を避けたい場合は、日帰り客が引いた夕方以降や早朝の散策が落ち着いています。
本記事の参考情報
・蔵王温泉観光協会 — 蔵王温泉エリアの観光情報
・銀山温泉 公式サイト — 銀山温泉の宿・アクセス情報
・Wikipedia: 蔵王温泉 — 歴史と泉質の背景
・Wikipedia: 銀山温泉 — 温泉街の成り立ち
編集部から
5軒に共通する選定の軸は、湯船から秋の景色を眺められることと、二人の時間を邪魔しない規模であることです。蔵王の白濁した硫黄泉と、銀山温泉の川沿いに湧く湯。泉質も景色も対照的な二つの温泉地は、山形新幹線で一本につながっています。標高の高い蔵王から紅葉が始まり、数週間かけて銀山の谷へ降りていく。その時間差を使えば、同じ秋に二度の紅葉を味わう旅も組めます。次の週末、どちらの湯から秋を迎えるでしょうか。