夏の函館を子どもと2泊3日で歩くなら、ベイエリア・元町・湯の川温泉の3拠点に宿を分けて結ぶのが、いちばん無理のない家族動線だと編集部は考える。2026年の函館港には年間75隻のクルーズ客船が入港予定で、特に7月中旬から8月上旬は大型船の寄港が集中する。摩周丸の前で巨大な船体を見上げ、函館山のロープウェイで夜景を待ち、5系統の路面電車で温泉地へ移動する——そんな港町の体験を、客室露天や子ども連れ運営に強い宿でつなぐ3軒を選んだ。函館港まつり(8/1-5)前夜の、もっとも船と灯りが映える季節の旅程である。
| 日 | ホテル | エリア | Score | 客室 | 目安価格 | 1行特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Day1 | センチュリーマリーナ函館 | ベイエリア | 93 | 317 | ¥45–¥73k | 最上階の天空露天から港と函館山を一望する大型宿 |
| Day2 | 湯の川プリンスホテル渚亭 | 湯の川温泉 | 91 | 185 | ¥39–¥59k | 津軽海峡を望む客室露天が並ぶ、子連れに強い温泉宿 |
| Day3 | HakoBA 函館 by THE SHARE HOTELS | 元町麓・末広町 | 92 | 58 | ¥13–¥23k | 1932年の旧銀行を改装、坂と港を歩く拠点になるデザイン宿 |
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。
Day 1 — ベイエリアで大型クルーズ客船と夜景
函館駅と朝市から数分。摩周丸の前で巨大な客船を見上げ、夜は函館山へ——初日の拠点はベイエリアに置く。
新幹線・新函館北斗駅から在来線で函館駅へ。荷物を置いたら、まずは金森赤レンガ倉庫と摩周丸のある港へ歩く。7月中旬から8月上旬は大型クルーズ客船の寄港が重なり、岸壁から見上げる船体は子どもにとって忘れがたい風景になる。夕方は函館山ロープウェイ(または夏季の登山バス)で山頂へ上がり、日没から夜景へ移り変わる時間を待ちたい。初日の宿は、港と山の両方に近いベイエリアに置く。
1. HOTEL&SPA センチュリーマリーナ函館 — 函館・大手町(ベイエリア)
最上階の天空露天から港と函館山を一望。初日の高揚をそのまま持ち帰れる、ベイエリアの大型シティリゾート。
HotelPicks Score: 93 / 100 317室、シティリゾートホテル。
目安価格 ¥45,000–¥73,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
函館駅から徒歩5分、朝市にも近い港沿いに2019年に開いた大型のシティリゾートである。最上階には市街を見渡すインフィニティの天空露天と函館最大級のスパゾーンを備え、夜景を見て戻ってからもう一度湯に浸かれるのが大きい。客室タイプは多彩で、家族3〜4人で広めの部屋を取りやすいのも初日の拠点として推せる理由だ。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、最上階の温泉と眺望、そして食材を生かした朝食ビュッフェへの評価が際立つ。立地の良さと館内動線のわかりやすさが家族連れに支持される一方で、繁忙期は大浴場やレストランが混み合う時間帯があるとの声も見て取れる。総じて、大型宿ならではの設備の厚みと運営の安定が評価の核になっている。
向く人 / 向かない人
-
向く:
港と夜景を起点に動きたい家族旅、温泉とビュッフェを重視する旅程、駅から荷物を持って歩きたくない初日の拠点 -
向かない:
静かな小規模宿を望む人、温泉街の情緒を求める旅、混雑する時間帯を避けたい人(食事・入浴は時間をずらす工夫が要る)
具体情報
- 最寄り駅: JR函館駅から徒歩 約5分(函館朝市まで約1〜2分)
- 客室: 全20タイプ、全室禁煙(家族向けの広めの客室あり)
- 温泉・スパ: 最上階に天空露天とインフィニティスパ、函館最大級のスパゾーン
- 食事: 朝食ビュッフェ / 夕食は炭火を使う3つのレストラン
- 開業: 2019年
Day 2 — 路面電車で湯の川温泉へ、子どもと湯に入る
5系統の路面電車に乗って終点・湯の川へ。サルが温泉に入る熱帯植物園と、客室露天の宿で一日を締める。
2日目はベイエリアから路面電車で東へ。函館どつく前から湯の川温泉までの一本道は、子どもにとっては乗り物そのものが目的地になる。湯の川では熱帯植物園のサルが温泉に入る姿を見て、海沿いを散歩し、夕方には客室の露天風呂で津軽海峡を眺めながら旅の疲れをほどく。温泉地に泊まることで、初日の都市的な高揚から、二日目のゆったりした時間へと旅のリズムが切り替わる。
2. 湯の川プリンスホテル渚亭 — 函館・湯川町(湯の川温泉)
津軽海峡を望む客室露天が並ぶ、湯の川を代表する温泉宿。部屋にいながら子どもと湯に入れる一軒。
HotelPicks Score: 91 / 100 185室、温泉旅館・ホテル。
目安価格 ¥39,000–¥59,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
湯の川温泉のなかでも、津軽海峡に面した客室露天風呂の多さで知られる一軒である。部屋にいながら海を眺めて湯に浸かれるため、小さな子ども連れでも大浴場の混雑を気にせず温泉を楽しめるのが大きい。函館空港からも近く、路面電車の終点エリアにあるため、2日目の拠点として移動の負担が小さいのも選んだ理由だ。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、客室露天風呂と海の眺望への評価が一貫して高い。家族客の感想では、部屋で湯に入れる安心感と、夕暮れから夜にかけて変わる海の表情への満足が見て取れる。一方で館は規模が大きく、棟や客室タイプによって眺望や新しさに差があるため、予約時に部屋の条件を確認したいという傾向も読み取れる。
向く人 / 向かない人
-
向く:
客室で温泉に入りたい子連れ家族、海の眺めを重視する旅、大浴場の混雑を避けたい乳幼児連れ -
向かない:
小規模で統一感のある宿を好む人、温泉街を歩いて店を巡りたい旅(周辺は静かな住宅・温泉地)、デザイン性を最優先する人
具体情報
- 最寄り: 市電「湯の川温泉」電停から徒歩圏(函館空港からタクシー約10分)
- 客室: 185室、津軽海峡を望む客室露天風呂付きの部屋が多数
- 温泉: 客室露天のほか海を望む大浴場
- 食事: 夕食はビュッフェまたは会席、朝食あり
- 立地: 湯の川温泉、海沿い
Day 3 — 元町の坂と港を歩いて締める
最終日は港の麓・末広町へ。大正期の坂道と教会群を歩き、帰る前にもう一度クルーズ客船を見送る。
3日目は湯の川から路面電車で再び港側へ戻り、十字街・末広町で降りる。元町の坂道を上れば、教会群や旧い洋館、そして坂の先に港と海が広がる函館らしい景色に出会える。最終日の拠点は、その坂の麓・歴史的建造物の街並みに溶け込むデザイン宿に置いた。荷物を預けて身軽に街を歩き、帰路につく前に、もう一度岸壁から大型客船を見送りたい。
3. HakoBA 函館 by THE SHARE HOTELS — 函館・末広町(元町麓)
1932年の旧銀行を改装した、坂と港を歩くための拠点。最終日を身軽に締めるデザイン宿。
HotelPicks Score: 92 / 100 58室、デザインホテル(歴史的建造物改装)。
目安価格 ¥13,000–¥23,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
1932年に銀行として建てられた石造建築を改装した、末広町のデザインホテルである。元町の坂と港のちょうど中間に位置し、赤レンガ倉庫や教会群へ歩いて向かえる立地が最終日の拠点に向く。ドミトリーから2寝室のメゾネットまで客室の幅が広く、価格を抑えつつ家族でまとまった部屋を取れるのも、3拠点目として選んだ理由だ。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、歴史的建造物を生かした空間とロビーの雰囲気、そして観光の起点としての立地への評価が高い。地域とつながる運営姿勢を好む声が目立つ一方で、温泉や大規模ホテルのような設備の厚みを求める層には物足りないという傾向も読み取れる。観光の合間に身軽に過ごす拠点として支持されている。
向く人 / 向かない人
-
向く:
元町の坂と港を歩きたい旅、デザインや建築を楽しみたい家族、価格を抑えて立地を取りたい最終日の拠点 -
向かない:
温泉や大浴場を望む人、館内で完結したい旅程、幼児連れで広い館内設備を求める家族(設備はコンパクト)
具体情報
- 最寄り: 市電「十字街」電停から徒歩約3分(赤レンガ倉庫・元町へ徒歩圏)
- 客室: 58室、シングル・ツインからドミトリー、2寝室のメゾネットまで
- 建物: 1932年築の旧安田銀行函館支店を改装
- 開業: 2017年5月(THE SHARE HOTELS)
- 立地: 末広町、元町麓・ベイエリア徒歩圏
よくある質問
Q. ベストシーズンはいつですか?
A. クルーズ客船と港町の体験を軸にするなら、編集部が推す時期は7月中旬から8月上旬である。大型客船の寄港が集中し、8月1〜5日の函館港まつりへ向けて街全体が高揚する。夜も比較的過ごしやすく、函館山の夜景待ちにも向く。ただし夏休みと港まつり期は混雑と価格上昇が重なるため、宿は早めに押さえたい。
Q. 予約のタイミングは?
A. 夏休み・港まつり期(8月上旬)は人気の客室から早く埋まり、ハイシーズンは通常期より目安価格が¥10,000ほど上昇する傾向がある。海側・客室露天付きなど条件を指定する場合は、2〜3か月前を目安に確保しておくと選択肢が広い。平日は比較的取りやすく、価格も落ち着く。
Q. 子連れでも泊まれますか?
A. 3軒とも家族連れに対応する。湯の川プリンスホテル渚亭は客室露天が多く、大浴場の混雑を気にせず子どもと湯に入れる。センチュリーマリーナ函館は広めの客室タイプが選べ、館内で温泉・食事が完結する。HakoBAは2寝室のメゾネットがあり、価格を抑えて家族でまとまって泊まれる。乳幼児連れは予約時に添い寝や設備の条件を確認したい。
Q. アクセスは?
A. 北海道新幹線・新函館北斗駅から在来線でJR函館駅まで約20分。函館空港からは市街・湯の川温泉までタクシーで10〜20分ほど。市内は5系統の路面電車が主要観光地を結び、ベイエリア・元町・湯の川温泉の3拠点移動も路面電車で完結する。子どもにとっては路面電車そのものが旅の楽しみになる。
Q. インバウンド客の利用は?
A. 函館はクルーズ寄港地でもあり、夏は海外からの旅行者が増える。ベイエリアの大型ホテルやデザイン宿は多言語の案内に対応している場合が多く、温泉宿でも客室露天であれば入浴文化に不慣れな旅行者も気兼ねなく利用できる。港・夜景・路面電車・温泉という分かりやすい体験が揃う点が、訪日リピーターにも支持されている。
本記事の参考情報
・はこぶら(函館市公式観光情報) — 元町・ベイエリア・湯の川のエリア情報
・函館市観光情報サイト — 港・夜景・路面電車のアクセス
・Wikipedia: 湯の川温泉(北海道) — 温泉地の歴史・地理の背景
編集部から
函館の旅は、港・坂・温泉という3つの異なる地形を、路面電車という一本の線でつなぐところに面白さがある。今回はその地形にそって宿を3拠点に分け、初日はベイエリアで高揚を、中日は湯の川で休息を、最終日は元町の坂で余韻を——という流れを子ども目線で組んだ。クルーズ客船が集まる夏は、街そのものが一年でもっとも開いている季節である。同じ函館でも、五稜郭側に拠点を寄せれば桜や歴史をたどる別の動線が描ける。次はどの季節の、どんな一日を函館で組んでみたいだろうか。