箱根で一人の週末を過ごすなら、一人泊を通年で受け入れている小規模な宿を選ぶのが近道です。新宿から小田急ロマンスカーで約85分、箱根湯本からさらに登山鉄道やバスで山を上がるだけで、都心の生活音は完全に途切れる。本記事では、客室数がおおむね10〜18室に収まり、しかも公開レビューデータを集計したところ一人客の滞在が継続的に確認できた6軒を、編集部が選びました。共通する条件は、湯があること、静かであること、そして「何もしない」ことが不作法にならない設えであること。この三つを満たす宿だけを並べています。

# 宿 エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 箱根本箱 強羅 93 18 ¥56–74k 約1.2万冊の書棚と全室温泉露天。読書だけで一日が終わる
2 文化財の宿 福住楼 塔之澤 92 17 ¥53–60k 1890年創業の登録有形文化財。完全部屋食で終始ひとり
3 和心亭 豊月 元箱根・芦ノ湖 91 15 ¥43k前後 箱根神社の東隣。窓いっぱいに芦ノ湖、食事は個室料亭
4 箱根湯宿 然 仙石原 90 10 ¥99–120k 全10室に檜の半露天。晴れた日は湯船から富士山
5 箱根翠泉 大平台 89 15 ¥16–26k 食事提供なしの自由型。自家源泉かけ流しと選書コーナー
6 はるのひかり 箱根湯本 87 14 ¥15–21k 1名定員のシングル客室に書斎デスク。湯本駅から無料送迎
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。本記事はソロ旅を主題とするため、1泊1名利用時の1室あたり料金(税込)で表記しています。

1. 箱根本箱 — 神奈川県箱根町・強羅

約1.2万冊の本に囲まれた18室。何もしない週末という主題に、最も正面から答える一軒。

HotelPicks Score: 93 / 100  18室、ブックホテル。

目安価格 ¥56,000–¥74,000 / 泊 (1名1室・通常期)


箱根本箱 — 箱根町強羅 · 吹き抜けの書架に囲まれたラウンジと森に開く大窓
PHOTO: 箱根本箱 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

出版取次会社の保養所を再生し、2018年8月に開いたブックホテルです。吹き抜けを貫く書架には約1.2万冊が並び、その大半はインテリアではなく実際に購入できる本として置かれています。全18室に温泉露天風呂と「あの人の本箱」と名付けられた個室書棚が備わり、部屋に戻っても読書の続きができる。館内はどこにいても本があり、誰とも話さずに一日が完結する構造になっています。一人で来ることが例外ではなく前提として扱われる、稀有な設計だと言えます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、評価が集中するのは建築と蔵書の体験価値、そして客室露天風呂の使い勝手です。一人利用の滞在記録も継続的に確認でき、共用部で長時間過ごしても居心地が損なわれない点への言及が目立ちます。一方で、山の斜面を活かした構造ゆえに館内の移動に階段が多いこと、食事が箱根の一般的な会席とは異なるコース形式であることは、期待値との差が出やすい要素として現れています。静けさと引き換えに、賑やかさや量的な満足は得にくい宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    読書のためだけに宿を取りたい一人旅、観光地を回らず館内で完結させたい週末、デジタル機器から距離を置きたい人
  • 向かない:
    観光を詰め込む旅程(チェックイン前・アウト後の館内利用は原則不可)、和の会席を目当てにする人、階段移動に不安がある人

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根登山ケーブルカー「中強羅」駅から徒歩約4分
  • 客室: 7タイプ18室、全室に温泉露天風呂と個室書棚「あの人の本箱」
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00(各3,300円で14:00イン・12:00アウトの延長あり)
  • 食事: 夕食はオープンキッチンカウンター19席と個室3室で供する「東海道ガストロノミー」、朝食は「将軍御膳飯」
  • 浴場: 男女別大浴場と露天風呂を各2
  • 開業: 2018年8月(旧・出版取次会社保養所を再生)
  • 蔵書: 館内約1.2万冊、多くは購入可能


2. 文化財の宿 福住楼 — 神奈川県箱根町・塔之澤

1890年創業、木造三階建ての登録有形文化財。完全部屋食で、誰とも顔を合わせずに二日を過ごせる。

HotelPicks Score: 92 / 100  17室、老舗温泉旅館。

目安価格 ¥53,000–¥60,000 / 泊 (1名1室・通常期)


文化財の宿 福住楼 — 箱根町塔之澤 · 早川の渓谷に建つ木造三階建て数寄屋と中庭の楓
PHOTO: 文化財の宿 福住楼 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

早川の渓谷に沿った塔之澤温泉で、1890年(明治23年)から続く木造三階建ての宿です。建物は登録有形文化財に指定され、日本イコモス国内委員会の「日本の20世紀遺産20選」にも選ばれています。17室はすべて間取りも造作も異なり、同じ部屋が一つもない。食事は完全部屋食の会席で、客同士が食事処で居合わせることがありません。館内の名物は松の大木をくり抜いた大丸風呂。一人客を土曜であっても受け入れ続けてきた宿としても知られ、ソロ滞在に対する構えが最初から出来上がっています。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、建築そのものへの評価が突出し、次いで湯と部屋食の運びが支持されています。一人客の滞在記録は本記事の6軒のなかでも群を抜いて厚く、繰り返し訪れる層が形成されていることが読み取れます。反面、明治期の木造建築であるため段差や階段が多く、防音も現代の基準とは異なる。設備の新しさや快適さを最優先する旅程では評価が割れやすい傾向が見て取れます。古さを味わいとして受け取れるかどうかで、満足度が大きく分かれる宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    近代和風建築や数寄屋普請に関心のある一人旅、食事処で人と居合わせたくない人、週末しか休みが取れず土曜の一人泊を探している人
  • 向かない:
    客室露天風呂を必須とする人、段差や階段の少ない導線を求める人、最新設備と完全な防音を重視する滞在

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根湯本駅から徒歩約15分、車で約5分。宿泊者向けの有料送迎マイクロバス(塔ノ沢方面)あり
  • 客室: 木造三階建て全17室、川側・庭側の2系統。全室が異なる間取り
  • チェックイン: 15:00〜(夕食付は18:00までの到着を要請)
  • 食事: 近海の魚介を主にした会席、完全部屋食。数回に分けて供される
  • 浴場: 大丸風呂(松の幹をくり抜いた丸風呂)、岩風呂、家族風呂。源泉を天然湧水で調整し24時間かけ流し
  • 創業: 1890年(明治23年)/登録有形文化財


3. 和心亭 豊月 — 神奈川県箱根町・元箱根

箱根神社の東隣、芦ノ湖を見下ろす高台の15室。窓辺の掘りごたつが定位置になる宿。

HotelPicks Score: 91 / 100  15室、芦ノ湖畔の温泉旅館。

目安価格 ¥43,000前後 / 泊 (1名1室・通常期)


和心亭 豊月 — 箱根町元箱根 · 客室の窓に広がる芦ノ湖と箱根神社の平和の鳥居
PHOTO: 和心亭 豊月 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

箱根神社の東隣、芦ノ湖を見下ろす高台に建つ15室の宿です。客室は数寄屋和室と和モダンツインが中心で、いずれも湖側に大きく窓を取り、窓辺には掘りごたつが据えられています。半露天風呂付きの客室、二子山を望む角部屋など選択肢も用意されている。食事は月替わりの懐石を個室の料亭で供する形式で、他の客と同席することがありません。加えて天然水の貸切風呂があり、大浴場の混雑を気にせず湯に入れる。一人で来ても、動線のどこにも人混みが生じない設計になっています。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、眺望と食事の満足度が二本柱として立ち上がります。とりわけ湖と鳥居を望む客室からの景色、個室での食事の落ち着きへの評価が安定している。スタッフの距離の取り方についても、干渉しすぎない対応として肯定的に語られる傾向が読み取れます。一方、元箱根という立地は箱根湯本から30分以上を要し、公共交通で入る場合は最終バスの時刻に旅程が縛られる。この移動負荷が、評価の分かれ目として現れています。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    窓の外を眺めて過ごす時間を旅の主目的にする人、食事の間も一人でいたい旅程、箱根神社や芦ノ湖畔を朝に歩きたい人
  • 向かない:
    移動時間を最小にしたい一泊二日(湯本から約35〜40分)、湯めぐりで箱根中を回りたい旅程、夜に外食や街歩きを組み込みたい人

具体情報

  • 最寄り: 箱根湯本駅からバス約35〜40分「元箱根港」下車。バス停到着後に連絡すれば車で迎えあり
  • 客室: 全15室。数寄屋和室・和モダンツイン・半露天風呂付き客室・特別室
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 食事: 月替わりの懐石を個室料亭で。朝夕とも個室
  • 浴場: 芦ノ湖を望む露天風呂、天然水の貸切風呂
  • 立地: 箱根神社の東隣、芦ノ湖を見下ろす高台


4. 箱根湯宿 然 — 神奈川県箱根町・仙石原

全10室すべてに檜の半露天風呂。晴れた日は湯に浸かったまま富士山を正面に置ける。

HotelPicks Score: 90 / 100  10室、全室半露天風呂付きの小宿。

目安価格 ¥99,000–¥120,000 / 泊 (1名1室・通常期)


箱根湯宿 然 — 箱根町仙石原 · 客室から続くウッドデッキのテラスと新緑の庭
PHOTO: 箱根湯宿 然 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

仙石原の一角に建つ全10室の小宿で、和洋室4室と洋室6室のすべてに檜の半露天風呂が付きます。湯は大涌谷温泉のかけ流し。客室は富士山側、外輪山側、森側に分かれ、湯船に身を沈めたまま景色が正面に来る配置になっています。食事は個室ダイニングで供され、廊下ですれ違う以外に他の客と接する場面がほぼない。仙石原はススキ草原と美術館が点在する高原エリアで、宿の周囲に商業的な喧噪がないことも、静けさを求める滞在には効いています。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、客室の半露天風呂と檜の香り、そして個室ダイニングでの食事の質に評価が集まっています。10室という規模ゆえに運営の目が行き届き、対応の丁寧さが安定して語られる点も特徴です。ただし本記事の6軒のなかでは価格帯が最も高く、一人利用でも一室分に近い料金設定となるため、費用対効果を重視する旅程では選びにくい。予算を優先するか、部屋にこもる時間の質を優先するかで判断が分かれる宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    予算を確保して一人で贅沢を通す週末、客室露天風呂を何度も使いたい人、富士山や外輪山の眺めを条件に入れる人
  • 向かない:
    価格を抑えたい一人旅(本記事で最も高い価格帯)、鉄道駅から歩いて入りたい人、大浴場での湯めぐりを主目的にする滞在

具体情報

  • 最寄り: 箱根登山バス「パレスホテル前」、伊豆箱根バス「姥子」、箱根ロープウェイ姥子駅から無料送迎車
  • 客室: 全10室(和洋室4・洋室6)。全室に檜の半露天風呂
  • 湯: 大涌谷温泉を客室半露天風呂にかけ流し
  • 食事: 朝夕とも個室ダイニング
  • 眺望: 富士山側・外輪山側・森側の3方位で客室を構成
  • 開業: 2014年5月


5. 箱根翠泉 — 神奈川県箱根町・大平台

食事を出さないことを選んだ15室。自家源泉かけ流しと選書コーナーだけが用意されている。

HotelPicks Score: 89 / 100  15室、自家源泉かけ流しの宿。

目安価格 ¥16,000–¥26,000 / 泊 (1名1室・通常期)


箱根翠泉 — 箱根町大平台 · 新緑に面した大きな窓と畳とベッドを併せた客室
PHOTO: 箱根翠泉 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

箱根登山鉄道の大平台駅から徒歩約3分、スイッチバックで知られる小さな温泉集落に2021年に開いた15室の宿です。最大の特徴は食事を提供しないこと。弁当の持ち込み、館内キッチンの利用、近隣の店を使うなど、滞在者が自分で食のかたちを決めます。その代わり、自家源泉100%かけ流しの大浴場、マイクロナノバブルの大浴場、露天風呂、温泉テラス、ラウンジ、そして選書コーナーが用意されている。旅館の様式に付き合わなくてよいぶん、時間の使い方が完全に自由になります。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、湯の質と価格に対する満足度、そして干渉されない滞在スタイルへの支持が中心を占めます。一人客の利用も厚く、連泊での滞在記録が確認できるのもこの宿の特徴です。一方、食事が付かない形式そのものが期待とずれる例も一定数あり、旅館らしい会席を想定して予約すると落差が生じる。大平台は飲食店の数が限られるため、夕食の段取りを事前に決めておけるかどうかが満足度を分けています。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    予算を抑えて連泊したい一人旅、食事の時間に縛られたくない人、湯と本だけあればいいという週末
  • 向かない:
    会席や部屋食を目的にする滞在、夕食の手配を宿に委ねたい人、客室露天風呂を必須条件にする人

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根登山鉄道「大平台」駅から徒歩約3分(駐車場は館から徒歩4〜5分)
  • 客室: 15室
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 食事: 提供なし。持ち込み・館内キッチン・近隣飲食店から選択
  • 浴場: 自家源泉かけ流し大浴場(アルカリ性単純温泉)、マイクロナノバブル大浴場、露天風呂、温泉テラス
  • 館内: ラウンジ、選書コーナー、ダイニングルーム/キッチン
  • 開業: 2021年4月


6. はるのひかり — 神奈川県箱根町・箱根湯本

1名定員のシングル客室に書斎デスクとテラス。一人で泊まることが設計思想になっている14室。

HotelPicks Score: 87 / 100  14室、箱根湯本の小さな温泉宿。

目安価格 ¥15,000–¥21,000 / 泊 (1名1室・通常期)


はるのひかり — 箱根町湯本 · 竹林に囲まれた茅葺き屋根の玄関棟と飛石の前庭
PHOTO: はるのひかり — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

箱根湯本の山手にある全14室の宿で、茅葺き屋根の玄関棟と竹林が迎えます。編集部が注目したのは客室構成で、1名定員・23㎡のシングル洋室にテラスと書斎デスクが備わり、さらに「個室書斎付」の和洋室ツインが3階と4階に用意されている。一人客を余った部屋に押し込むのではなく、一人のための部屋を最初から持っている宿です。大浴場は浴槽を仕切って湯口から順に温度を落とし、ぬる湯から熱めまで選べるようにしてある。湯本駅から無料送迎バスが出るのも、荷物を持って坂を上らずに済む点で効きます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、湯の温度設計と静けさ、そして価格に対する納得感が評価の中心にあります。一人客の滞在記録も継続的に確認でき、書斎付き客室を目的に指名する層が形成されつつある。ただし館内の移動は階段が中心で、荷物は自分で運ぶ前提が明示されています。2026年7月から新たな運営体制に移行しており、以前の印象で判断せず、最新の情報を公式サイトで確かめてから予約するのが確実です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    一人で机に向かう時間を確保したい滞在、湯本駅から短時間で入りたい人、予算1万円台で温泉宿を探している人
  • 向かない:
    階段移動が難しい人(館内は階段中心・荷物は自分で運ぶ前提)、大型のスーツケースを持つ旅程、豪華な会席を主目的にする滞在

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根湯本駅から無料送迎バス(当日12時までに要予約)。駐車場5台
  • 客室: 全14室。1名定員シングル洋室23㎡(テラス・書斎デスク付/2025年改装)、和室10畳、個室書斎付き和洋室ツイン、露天風呂付き客室
  • 湯: 箱根湯本温泉 単純温泉(低張性・弱アルカリ・高温泉)pH8.4。浴槽を仕切り湯温を段階化、男女入替制
  • 館内: サウナ、パウダールーム、シャンプーバー、湯上り処
  • 注意: 館内の移動は階段。荷物は自分で運べる大きさが前提
  • 運営: 2026年7月より新体制


よくある質問

Q. ベストシーズンはいつですか?

A. 編集部が推すのは5月中旬から6月中旬です。新緑が深まり、紅葉期や夏休みのような混雑が生じない端境期にあたります。梅雨に入っても、箱根の宿は雨の日ほど静かになり、霧が谷を埋める景色は晴天より印象に残る。平日を選べば大浴場が実質的に貸切になる時間帯も生まれます。逆に11月の紅葉期と年末年始は価格・混雑ともに跳ね上がり、一人泊の受付枠自体が絞られる傾向があります。

Q. 予約のタイミングは?

A. 客室数が10〜18室と少ないため、土曜と連休は2〜3か月前には埋まり始めます。一人泊は受入枠が限られる宿が多く、週末を狙うなら早めに動くのが確実です。平日であれば2〜4週間前でも空きが見つかることが珍しくなく、価格も週末より一段下がります。キャンセル規定は宿ごとに差が大きいので、予約時に必ず確認しておきたいところです。

Q. 一人だと追加料金がかかりますか?

A. 宿によって考え方が大きく異なります。箱根本箱やはるのひかりのように一人利用の料金が明確に設定されている宿がある一方、箱根湯宿 然のように一室を確保する形になり、二人利用に近い金額となる宿もあります。本記事の目安価格はいずれも1名1室で算出しているため、そのまま予算の比較に使えます。価格差が最大で8倍近く開くのが箱根の面白さでもあります。

Q. アクセスは?

A. 新宿から小田急ロマンスカーで箱根湯本まで約85分、東京駅からは東海道新幹線で小田原へ約35分、そこから箱根登山鉄道に乗り換えます。はるのひかりと福住楼は湯本から至近、箱根翠泉は登山鉄道で大平台駅下車、箱根本箱はさらにケーブルカーで中強羅へ。箱根湯宿 然と和心亭 豊月はバス移動となり、いずれも最寄りのバス停から送迎があります。

Q. 女性の一人旅でも安心して泊まれますか?

A. 本記事の6軒はいずれも客室数が20室未満で、フロントから客室までの動線が短く、館内で誰が滞在しているかが把握しやすい規模です。食事も部屋食や個室が中心で、大広間で見知らぬ客と同席する場面がほぼありません。貸切風呂や湯の男女入替制を備える宿も多く、大浴場の利用時間を選べます。夜間の外出を伴わない旅程を組めば、静けさと安心が両立しやすい構成だと言えます。

Q. 連泊はできますか?

A. できます。とくに箱根翠泉は食事を提供しない形式のため、連泊で食のリズムを自分で作りやすく、価格面でも負担が小さい。福住楼や箱根本箱も連泊の滞在記録が確認できます。二泊すると中日が完全に空き、湯と読書だけで一日を過ごすという本記事の主題が最もよく実現します。一泊では移動が滞在時間を圧迫しがちなので、二泊を推したいところです。

本記事の参考情報

箱根町観光協会 — 箱根全域の観光・交通・温泉情報
箱根ナビ — 交通機関の時刻・ルート案内
Wikipedia: 箱根温泉 — 箱根十七湯の泉質と歴史の背景

編集部から

6軒を並べてみて改めて分かるのは、箱根における「一人で泊まる」という行為が、もはや例外的な使い方ではなくなっているということです。書斎付きの客室を設ける宿、食事そのものを出さないと決めた宿、明治から一人客を受け入れ続けてきた宿。方法はまるで違うのに、どれも「放っておく」という一点で共通している。もてなしの密度を上げることが正解だった時代から、距離の取り方そのものを設計する時代へ、静かに軸が移りつつあるように感じられます。次は同じ視点で、鉄道だけで完結する温泉地を選ぶのか、それとも一泊の予算を二泊に割り振る宿を集めるのか。あなたなら、どちらの週末を先に取りますか。

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