GW明けの平日に、箱根と湯河原の小さな温泉旅館へひとりで泊まる——編集部が選んだ 5 軒を紹介する。連休に休めなかった働く大人にとって、5 月中旬の平日は一年でもっとも条件のいい時期のひとつと言える。山の緑が最も濃く立ち上がる新緑のピークでありながら、観光客の波は引き、宿の価格も年間の底値圏に沈む。ここで取り上げるのは客室 7〜18 室という小さな規模で、貸切風呂または客室風呂を持ち、食事を個室か客室でとれる宿。いずれも一人利用のプランを通年で扱っている、静けさを買いに行くための一軒ばかりです。

# 宿 エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 文化財の宿 福住楼 箱根・塔ノ沢 93 17 ¥52–¥58k 1890 年創業。竹細工の数寄屋と、松の幹をくり抜いた大丸風呂
2 和心亭 豊月 箱根・元箱根 92 16 標高 800m、芦ノ湖を見下ろす高台。食事はすべて個室料亭で
3 富士屋旅館 湯河原・宮上 91 18 ¥57–¥70k 中学生以上のみの大人宿。大正 12 年築の旧館が現役で使われる
4 強羅環翠楼 箱根・強羅 90 14 ¥58–¥74k 岩崎家別荘を継いだ宿。強羅駅から徒歩 3 分、自家源泉 2 本
5 奥湯河原 結唯 奥湯河原 89 7 ¥181–¥217k 全室に展望露天風呂。離れは 100〜155 ㎡の一棟貸し
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます


※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊1名1室利用時の1名あたり料金(税込・2食付プラン中心)です。一人利用の販売設定が単一で、範囲として示せない宿は「—」と表記しています。

1. 文化財の宿 福住楼 — 箱根町・塔ノ沢

早川の渓谷に建つ木造三階建て、十七室。松の幹をくり抜いた大丸風呂に浸かるためだけに来ても惜しくない一軒。

HotelPicks Score: 93 / 100  17室、登録有形文化財の木造旅館。

目安価格 ¥52,000–¥58,000 / 泊 (1名1室・通常期)


文化財の宿 福住楼 — 箱根・塔ノ沢 · 松の幹をくり抜いた名物「大丸風呂」と渓谷の緑
PHOTO: 文化財の宿 福住楼 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

建物そのものが目的地になる宿です。1890 年(明治 23 年)に塔之澤で創業し、京普請の数寄屋づくりと竹の意匠が評価されて登録有形文化財に指定されました。理由は三つ。第一に、十七室すべて間取りも造作も異なり、同じ部屋が一室もないこと。第二に、松の大木をくり抜いた大丸風呂と岩風呂が時間帯で男女入れ替わり、小丸風呂・家族風呂・寝湯は予約不要で空いていれば使えること。第三に、夕食も朝食も客室に運ばれ、館内で誰とも顔を合わせずに一夜を過ごせることです。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、当エリアでも突出して評価の母数が厚く、しかも水準が下がらない稀な一軒であることが見て取れます。傾向として支持が集中するのは建築と湯、そして客室で完結する食事の three point。一方で、客室に風呂とトイレがない点、エレベーターがない点は明確に評価が割れます。これは設備不足ではなく木造建築の保全という運営方針の結果で、そこを理解して選んだ層の満足度が非常に高い、という構図が浮かびます。ひとり客の言及量も多く、一人向けの部屋案内が機能していることがうかがえます。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    近代和風建築を目当てに歩く旅、館内で完結させたい静かなひとり旅、渓谷の新緑と川音を聴きに来る 5〜6 月の滞在、和の様式を体験したい海外からの旅行者
  • 向かない:
    客室に風呂とトイレを求める人(デラックスの桜 2 のみ設置)、階段の上下が負担になる人(エレベーターなし)、ベッドで眠りたい人(布団のみ)、乳幼児連れ(離乳食の提供なし)

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根湯本駅から車で約 5 分。宿泊客用の有料送迎マイクロバス(塔ノ沢方面・片道 200 円)またはタクシー
  • 客室: 17 室、木造三階建て・多棟式。全室が異なる間取りで、川側・庭側に分かれる
  • チェックイン: 15:00〜(夕食付は 18:00 までに到着)
  • 食事: 夕食 18:00〜/朝食 8:00〜、いずれも客室で。ベジタリアン対応可
  • 風呂: 大丸風呂・岩風呂は 15:00〜翌 9:30(時間帯で男女入替)。小丸風呂・家族風呂・寝湯は予約不要の貸切
  • 泉質: 湯本 37 号泉、アルカリ性単純温泉・掛け流し(源泉 62.9 度/pH 8.9)
  • 創業: 1890 年(明治 23 年)/登録有形文化財
  • その他: 駐車場 6 台(要事前連絡)、エレベーターなし、タトゥーの入浴制限なし


2. 和心亭 豊月 — 箱根町・元箱根

標高 800m、箱根神社の東隣に建つ十六室。窓いっぱいの芦ノ湖と山の緑を、朝も夜もひとりで独占できる。

HotelPicks Score: 92 / 100  16室、芦ノ湖を見下ろす高台の温泉旅館。

目安価格 一人利用の販売設定が単一のため、範囲として示していません


和心亭 豊月 — 箱根・元箱根 · 客室の窓から望む芦ノ湖と平和の鳥居、山の緑
PHOTO: 和心亭 豊月 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

「月」を主題に据えた一軒宿です。箱根神社の東隣、標高およそ 800m の高台に建ち、全 7 タイプ 16 室は 2023 年 2 月に全面改装されました。推す理由は三つ。第一に、客室の名がすべて「月」の字を冠し、芦ノ湖と二子山を望む開口が大きくとられていること。第二に、大浴場が 2024 年 7 月に改装され、単純硫黄泉の露天「風月の湯」「出合い月〜灯〜」と内湯二つが揃ったこと。第三に、食事が朝夕とも個室料亭でとれ、ひとりでも席の空気を気にせず済むことです。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、評価の重心が明確に「眺望」と「食事の場のつくり」に寄っているのが分かります。芦ノ湖を望む開口の広さと、個室料亭で供されるモダン懐石への支持が中心で、改装後の浴場についても好意的な傾向が続いています。逆に、元箱根という立地ゆえの移動時間——箱根湯本からバスで 40 分前後——には評価が割れ、駅からの気軽さを求める層とは相性が分かれます。貸切風呂に温泉ではなく箱根山の天然水を使う設計も、事前に理解しておきたい点として言及されやすい要素です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    窓の外の景色を一日眺めていたい旅、食事の席で他客と同席したくないひとり旅、標高の高い場所で遅い新緑を追いたい 5 月中旬の滞在、車で箱根を回る旅程
  • 向かない:
    駅から歩いて着きたい旅程(最寄りバス停から送迎、箱根湯本からバス約 40 分)、館外の飲食店をはしごしたい人、貸切風呂も温泉であることを条件にする人(貸切は天然水)

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根湯本駅からバス約 40 分・1,080 円(元箱根港/元箱根下車)。小田原駅からは約 55 分。最寄りバス停から送迎あり
  • 客室: 16 室・全 7 タイプ。2023 年 2 月に全室改装。半露天風呂付きの客室あり(アクセシブル和洋室、角部屋数寄屋和室、特別室、月見棟)
  • 食事: 夕食はモダン懐石、朝食は健康朝食。いずれも個室料亭で
  • 風呂: 温泉大浴場(2024 年 7 月改装)は内湯「湯けむり月」「月見の湯」、露天「出合い月〜灯〜」「風月の湯」。ほかに天然水の貸切風呂
  • 泉質: 単純硫黄温泉(露天は掛け流し、内湯は天然水との循環併用方式)
  • 立地: 標高約 800m、箱根神社の東隣。館内にリラクゼーションルーム、読書室、エステ


3. 富士屋旅館 — 湯河原町・宮上

中学生以上しか泊まれない大人宿。大正 12 年築の楼閣風建築が、いまも客室として現役で使われている。

HotelPicks Score: 91 / 100  18室、藤木川沿いの再生された老舗旅館。

目安価格 ¥57,000–¥70,000 / 泊 (1名1室・通常期)


富士屋旅館 — 湯河原・宮上 · 新緑に包まれた黒い外観のエントランス、明治 9 年創業の老舗旅館
PHOTO: 富士屋旅館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

湯河原で最も明確に「大人だけの宿」を宣言している一軒です。予約は中学生以上に限られ、館内は全室禁煙。明治 9 年に温泉旅館として始まり、当時は「聚芳園」と称しました。推す理由は三つ。第一に、大正 12 年築の楼閣風建築「旧館」が現存し、いまも客室として使われていること。第二に、京都から木材を運んで建てたと伝わる離れ「洛味荘」を、八室から四室に減らして広げたこと。第三に、客室が 34〜56 ㎡と、ひとりで持て余すほど広いことです。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿は当エリアで一人利用の取り扱い量が突出しており、しかも評価水準が落ちない点が際立ちます。支持が集まるのは建物の質感と食事、とくに鰻を軸にした献立で、静けさへの言及も多い。一方で、歴史的建築を改修した構造ゆえにエレベーターがなく段差が残ること、売店と自販機がないこと、送迎がないことは、事前情報として評価が割れる部分です。館内で完結させず、湯河原の町を歩く前提で選んだ層の満足度が高い傾向が読み取れます。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    子どもの声のない環境を最優先するひとり旅、近代和風建築を見に行く旅、浴衣で町を歩きたい人(湯河原惣湯・町立湯河原美術館・不動滝が徒歩圏)、鰻を目当てにする食の旅
  • 向かない:
    家族連れ(中学生未満は予約不可)、階段や段差の負担が大きい人(エレベーターなし)、館内の売店で買い物を済ませたい人(売店・自販機なし)、駅からの送迎を前提にする旅程

具体情報

  • 最寄り駅: JR 湯河原駅からバス約 15 分・230 円(「公園入口」下車、宿の目の前)。タクシーは約 7 分・約 1,200 円
  • 客室: 18 室。洛味荘 47〜54 ㎡/旧館 35〜56 ㎡/新館 34〜49 ㎡。温泉檜風呂付 8 室、檜風呂付 2 室、シャワー付 8 室
  • チェックイン: 15:00〜18:00 / アウト 〜11:00(延長は 1 時間 2,000 円、最長 12:00)
  • 食事: 併設の食事処「瓢六亭」で朝夕とも。半個室 8 部屋。夕食 17:00/17:30/18:00、朝食 8:00/8:30 から選択
  • 年齢制限: 中学生以上のみ宿泊可・全室禁煙
  • 創業: 明治 9 年(1876 年)/旧館は大正 12 年築、建物の一部が登録有形文化財
  • 駐車場: 川沿い 5 台+第 2 駐車場 7 台(要事前連絡)


4. 強羅環翠楼 — 箱根町・強羅

岩崎家の別荘を受け継いだ十四室。強羅駅から徒歩 3 分、荷物を引いて行ける数少ない老舗である。

HotelPicks Score: 90 / 100  14室、自家源泉掛け流しの数寄屋旅館。

目安価格 ¥58,000–¥74,000 / 泊 (1名1室・通常期)


強羅環翠楼 — 箱根・強羅 · 庭園に向かって障子を開いた数寄屋造りの客室と新緑
PHOTO: 強羅環翠楼 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

旧三菱財閥・岩崎家の別荘を譲り受け、1949 年に旅館として開業した宿です。推す理由は三つ。第一に、岩崎康弥が大正 4 年から建てた木造二階建ての別荘建築が「一昭亭」として残り、「松の間」「晴旭の間」は当時の姿のまま使われていること。第二に、1952 年に敷地内から湧いた強羅温泉第 1 号を含む自家源泉 2 本を持ち、露天と内湯で異なる湯を掛け流していること。第三に、強羅駅から徒歩 3 分という、この規模の老舗としては例外的な近さです。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、評価の柱は明確に建物・庭・湯の三点に集約されます。とくに敷地内の庭園と、そこに面した露天風呂への言及が多く、季節ごとの見え方の違いが繰り返し語られる。駅からの近さも実用的な評価点として安定しています。一方で、大正から昭和にかけての木造建築であるため、現代のホテル的な設備水準——防音、空調、水回りの新しさ——を基準にすると評価が下がる傾向がはっきり出ます。歴史的建築に泊まりに来たのか、快適さを買いに来たのかで、体験の受け取り方が二分する宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    車を使わず電車だけで行きたいひとり旅、庭を眺めて一日を過ごす滞在、定員 1〜3 名の小さめの部屋で十分という人、強羅・仙石原の美術館を歩いて回る旅程
  • 向かない:
    新しい建物の快適さを優先する人(大正〜昭和の木造建築)、露天風呂で髪や体を洗いたい人(露天は湯浴み専用)、深夜の入浴を重視する人(露天は 22:00 まで)

具体情報

  • 最寄り駅: 箱根登山鉄道・強羅駅から徒歩 3 分。新宿駅から強羅駅まで約 2 時間 10 分、東京駅から約 1 時間 30 分
  • 客室: 14 室。本館「一昭亭」「春秋亭」と別館「離れ」の 3 エリア。本間 6〜12.5 帖で、定員 1〜3 名の部屋(杉・竹・月)あり
  • 風呂: 露天「環の湯」(男)/「翠の湯」(女)は 15:00〜22:00・6:00〜9:30。内湯「巽の湯」「ひょうたんの湯」は男女入替で 24 時間
  • 泉質: 露天はアルカリ性単純温泉(源泉 48.4 度)、内湯は単純温泉(同 46.2 度)。ともに自家源泉掛け流し、無色透明・無臭
  • 創業: 1949 年(昭和 24 年)開業。前身は 1915 年(大正 4 年)に建てられた岩崎康弥の別荘
  • 立地: 標高約 550m、早雲山の麓。庭園を有し、1955 年には離れ「錦華亭」に昭和天皇皇后両陛下が滞在


5. 奥湯河原 結唯 — 湯河原町・奥湯河原

全 7 室、そのすべてに藤木川を望む展望露天風呂。100 ㎡超の空間をひとりで使い切る、この記事の最上位。

HotelPicks Score: 89 / 100  7室、離れ一棟貸しを含む奥湯河原の温泉旅館。

目安価格 ¥181,000–¥217,000 / 泊 (1名1室・通常期)


奥湯河原 結唯 — 湯河原・奥湯河原 · 新緑を映す客室の展望露天風呂と藤木川沿いの森
PHOTO: 奥湯河原 結唯 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

この記事で唯一、価格が桁違いに跳ねる一軒です。それでも入れたのは、ひとり客が実際に泊まれる形で売られているから。推す理由は三つ。第一に、本館 3 室・離れ 4 棟の全 7 室すべてに藤木川を望む展望露天風呂があり、共用浴場を使わずに完結すること。第二に、本館客室にはプライベートサウナと水風呂が併設され、2026 年 5 月に改装が入ったばかりであること。第三に、離れは 100〜155 ㎡の一棟貸しで、専用庭を含めれば別荘そのものだという点です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、評価は「専有感」に強く集中します。共用の大浴場を持たず、客室の露天風呂と個室での食事だけで滞在が完結する構造が、静けさを求める層から高く支持されている。一人利用の取り扱いも継続的に確認でき、二名定員の部屋をひとりで使う滞在が現実的な選択肢になっています。一方、価格帯に対する期待値が高くなる分、料理や接客の細部への評価が厳しくなる傾向も見て取れる。GW 明けの底値効果がこの価格帯では相対的に小さく、お得さを主目的にすると狙いが外れやすい宿でもあります。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    年に一度の自分への投資と割り切れる旅、他客とまったく顔を合わせたくない滞在、サウナと水風呂を客室で使いたい人、部屋から出ずに二泊したい長めの休み
  • 向かない:
    GW 明けの値下がりを狙う旅(この価格帯では下げ幅が小さい)、大浴場での湯めぐりを楽しみたい人(共用大浴場なし)、温泉街を歩いて回りたい人(奥湯河原は町の中心から離れる)

具体情報

  • 所在地: 湯河原町宮上 683-25(奥湯河原)。JR 湯河原駅からバスまたはタクシー
  • 客室: 全 7 室。本館 3 室(瀬音・風香=各 120 ㎡/翠林=200 ㎡+庭園 30 ㎡)、離れ 4 棟(桃花=100 ㎡+専用庭 30 ㎡、紫夕=155 ㎡ ほか)
  • 風呂: 全室に藤木川を望む展望露天風呂。本館客室はプライベートサウナ・水風呂を併設
  • 泉質: ナトリウム・カルシウム — 塩化物・硫酸塩泉、源泉かけ流し。古くから「傷の湯」と呼ばれる
  • 改装: 本館客室は 2026 年 5 月にリニューアルオープン
  • 問い合わせ: 予約・問い合わせ受付は 11:00〜18:00


よくある質問

Q. ベストシーズンはいつですか?

A. 編集部が推すのは 5 月中旬の平日です。箱根・湯河原とも新緑がもっとも濃くなる時期で、連休が明けて宿と道路の混雑が一気に引きます。標高差も使えます。湯河原と箱根湯本は 4 月下旬に緑が立ち上がり、強羅(標高約 550m)と元箱根(同約 800m)は 2 週間ほど遅れる。同じ 5 月中旬に出かけても、低地と高地で違う季節を見られるのがこのエリアの利点です。梅雨に入る 6 月中旬以降は川音と苔が主役に変わります。

Q. 予約のタイミングは?

A. 客室 7〜18 室という規模では、そもそも売る部屋数が少なく、特定日は早い段階で埋まります。5 月の平日を狙うなら 2〜3 か月前が目安。土曜と連休中日は同じ宿でも価格が上がるため、平日との差を確かめてから日程を決めたい。キャンセル規定は宿ごとに幅があり、たとえば富士屋旅館は 2〜3 日前 30%、前日 50%、当日 100% と公表しています。一人利用のプランは部屋タイプが限られることが多く、希望の部屋があるなら早めに動くのが確実です。

Q. 一人で泊まれない宿もありますか?

A. 箱根・湯河原の小規模旅館では、一人利用を土日祝や繁忙期に限って停止する運用が珍しくありません。この記事の 5 軒は、公開販売価格の集計で一人利用の取り扱いが通年で確認できたものに絞っています。ただし部屋タイプは限定される場合があり、福住楼のように公式サイトで一人向けの部屋を明示している宿もあれば、二名定員の部屋を一名で使う形の宿もある。予約時に部屋タイプと料金の対応を確認しておくと確実です。

Q. 子連れでも泊まれますか?

A. 富士屋旅館は中学生以上のみの受け入れで、子ども連れは利用できません。福住楼は離乳食の提供がなく、客室に風呂とトイレがないため乳幼児連れには段取りが要ります。強羅環翠楼と和心亭豊月は家族利用も想定した客室構成を持ちますが、いずれも小規模で静けさが売りの宿である点は変わりません。子ども連れを主目的にするなら、この記事とは別の切り口で宿を選ぶほうが満足度は高くなります。

Q. アクセスは?

A. 箱根側は新宿駅から箱根湯本駅まで特急でおよそ 1 時間 30 分、強羅駅までは約 2 時間 10 分。強羅環翠楼は強羅駅から徒歩 3 分で、車がなくても荷物を引いて着けます。福住楼は箱根湯本駅から車で約 5 分、宿泊客用の送迎マイクロバス(片道 200 円)が使えます。元箱根の和心亭豊月は箱根湯本駅からバス約 40 分。湯河原側は JR 湯河原駅が起点で、富士屋旅館はバス約 15 分・タクシー約 7 分、奥湯河原の結唯はさらに奥に入ります。

Q. インバウンド客の利用は?

A. 5 軒とも多言語ページを持ち、海外からの滞在を想定した運営がなされています。福住楼は日本語のほか英語・中国語(繁体/簡体)・韓国語のページを備え、タトゥーに対する入浴制限を設けていません。結唯は英語・中国語・韓国語に加えてポルトガル語、スペイン語、アラビア語、インドネシア語まで対応ページを用意しています。木造建築の作法(履物、段差、布団での就寝)に事前の説明が要る宿が多く、訪日リピーター層からは「日本の旅館らしさが残っている」という方向で支持を集める傾向にあります。

本記事の参考情報

箱根町観光協会 — 箱根エリアの交通・季節情報
湯河原温泉 公式観光サイト — 湯河原・奥湯河原の観光情報
Wikipedia: 箱根温泉 — 箱根七湯と各温泉場の歴史
Wikipedia: 湯河原温泉 — 万葉集以来の湯治場としての背景

編集部から

5 軒に共通するのは、規模を大きくしないという選択です。客室 7〜18 室という数字は経営上けっして有利ではなく、それでも増やさないのは、一室あたりに割ける時間と空間を守るためだと考えられる。ひとり客にとってこの構造は決定的に効きます。大広間の食事会場がなく、客室か個室で食べられる。貸切風呂が現実的な待ち時間で回る。廊下ですれ違う人が少ない。GW 明けの平日という条件は、その静けさをさらに一段引き上げてくれます。次に迷うとすれば、山に登るか、海側に降りるか。標高 800m の芦ノ湖畔と、相模湾まで 15 分の湯河原と——同じ二泊で、あなたはどちらの緑を選ぶでしょうか。

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