名鉄名古屋から約25分、木曽川のほとりに立つ国宝・犬山城の天守を「見上げて泊まる」ための宿として、編集部が6軒を選んだ。犬山の面白さは、天守と城下町と国宝茶室・如庵という三つの目的地が、いずれも徒歩圏に収まっている点にある。車を置いて歩き、串カツや田楽をつまみ、夕方に木曽川の対岸から天守のシルエットを眺める——そんな一日を組み立てられる立地に絞り、公開レビューデータを集計したうえで、木曽川沿いの温泉宿と犬山駅前のホテルを混ぜて並べた。紅葉と食べ歩きが重なる10〜11月を想定している。

# ホテル エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 灯屋 迎帆楼 犬山・木曽川沿い 93 10 ¥134–¥156k 大正八年創業。全室が半露天風呂付きスイートで天守と川を望む
2 旬樹庵 八勝閣 みづのを 木曽川対岸・鵜沼 90 20 ¥47–¥69k 対岸から天守を正面に望む立地。露天「白帝の湯」が主役
3 料理旅館 臨江館 犬山・木曽川沿い 87 17 ¥22–¥35k 六方石の露天と会席。城下町価格帯で温泉と料理を両立する
4 犬山館 犬山遊園駅前 85 33 ¥11–¥14k 1947年創業の旅館が宿泊特化に転換。川と天守を望む素泊まり拠点
5 ホテルミュースタイル犬山エクスペリエンス 犬山駅西口 84 118 ¥20–¥33k 駅徒歩1分。露天・サウナ付き大浴場を備える城下町の玄関口
6 犬山ミヤコホテル 犬山駅東 79 44 ¥14–¥19k 2024年秋に全面改装。朝食ビュッフェ付きで動き出しが早い
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

1. 灯屋 迎帆楼 — 犬山市・木曽川沿い

木曽川のほとりに十室だけ。全室が半露天風呂付きスイートという、犬山でいちばん静かな一軒。

HotelPicks Score: 93 / 100  10室、老舗旅館(大正八年創業)。

目安価格 ¥134,000–¥156,000 / 泊 (2名1室・通常期)


灯屋 迎帆楼 — 愛知県犬山市・木曽川沿い · 国宝犬山城の天守を対岸から望む大正八年創業の老舗旅館
PHOTO: 灯屋 迎帆楼 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

犬山の宿でここだけが持っているのは、規模の小ささそのものです。木曽川に沿って十室を横並びに配し、全室から天守と川面を同時に望む。理由は三つ挙げられます。第一に、全室が半露天風呂付きのスイート仕様で、大浴場に降りる必要がないこと。第二に、犬山駅からの無料タクシーが用意され、車がなくても城下町と往復できること。第三に、夕食が地の素材を軸にした会席で、鵜飼の乗船場へ送迎が出る点です。城下町の喧騒から数百メートル離れているだけで、聞こえるのは川音だけになる——その落差を買う宿と言えます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、犬山エリアのなかで突出して高い水準を保っています。とくに客室そのものへの評価が厚く、風呂と眺望を切り離さずに語られる傾向が強い。接客に関しても、十室という規模ゆえに一人ひとりの動きが見えている、という趣旨の評価が多数を占めます。一方で価格に関する言及は明確に二分し、記念日利用では納得の声が優勢、日常的な旅程では躊躇が見られる。総じて「頻度は低いが満足度は高い」タイプの支持構造で、リピートよりも一度の体験を目的に選ばれている印象が残ります。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    記念日・結婚記念の二人旅、大浴場を使わずに部屋で完結させたい人、鵜飼と会席を一晩で組みたい旅程、名古屋起点で一泊だけ贅沢に振る旅
  • 向かない:
    予算を一泊¥50,000以内に抑えたい旅程、小さな子ども連れ(十室規模で静けさが前提)、城下町の食べ歩きを夕食代わりにしたい人(夕食が滞在の中心に置かれている)

具体情報

  • 最寄り駅: 名鉄犬山駅からタクシー約5分(宿が負担する無料タクシーの案内あり)
  • 名古屋から: 名鉄名古屋駅から犬山線 約25分
  • 客室: 全10室、すべて半露天風呂付きスイート
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 食事: 夕食・朝食とも会席。地元産の豆腐・こんにゃく・野菜を使う朝食
  • 温泉: 白帝の湯(客室の半露天風呂で利用)
  • 創業: 1919年(大正八年)
  • 駐車場: 無料駐車場あり
  • 言語対応: 公式サイトに英語版あり


2. 旬樹庵 八勝閣 みづのを — 木曽川対岸・各務原市鵜沼

露天に浸かったまま、木曽川越しに天守を正面から望める、対岸ならではの一軒。

HotelPicks Score: 90 / 100  20室、料亭温泉旅館。

目安価格 ¥47,000–¥69,000 / 泊 (2名1室・通常期)


旬樹庵 八勝閣 みづのを — 木曽川対岸・各務原市鵜沼 · 露天風呂「白帝の湯」から犬山城天守を望む夜の湯船
PHOTO: 旬樹庵 八勝閣 みづのを — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

犬山城は、対岸から見るときにいちばん城らしく見えます。木曽川の南岸に立つ宿は天守を見上げる角度になりますが、この宿は北岸——つまり岐阜県側にあり、天守を川ごしに正対して捉える。露天風呂「白帝の湯」からその構図が成立する点が、選定の決め手になりました。行政区画としては各務原市鵜沼ですが、犬山橋を渡れば犬山遊園駅まで徒歩圏で、城下町散策の拠点としては十分に機能します。2024年には川側和室へのカウンター設置やコネクティングルーム新設といった改装が入り、二人旅と家族旅の両方に振れる構成になりました。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、眺望と風呂の二点に評価が集中しています。とりわけ「湯船から城が見える」という体験そのものが選択理由として語られる比率が高く、料理旅館としての会席にも安定した支持が集まる。改装後の客室に触れた評価は改装前より明確に上向いており、和室のまま使い勝手だけを更新した方向性が受け入れられていると読み取れます。一方、館内の一部設備には年季を指摘する声も残り、新築ホテルの均質さを期待する層とは相性が分かれる。眺望を第一条件に置く旅程で満足度が最も高くなる宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    天守の眺望を最優先する二人旅、鵜飼シーズンに川べりで過ごしたい人、和室を望む家族(コネクティングルームあり)、和の様式を体験したい海外からの旅行者
  • 向かない:
    新しく均質な設備を求める人(改装済みだが建物は年季が入る)、犬山駅から徒歩で直行したい旅程(橋を渡る必要がある)、洋室中心の滞在を望む人

具体情報

  • 最寄り駅: 名鉄犬山遊園駅から犬山橋を渡って徒歩圏(対岸・岐阜県側)
  • 客室: 全20室(和室17室、コネクティングルーム・街側和洋室3室、全室バス・トイレ付)
  • チェックイン: 15:00〜(最終20:00) / アウト 〜10:00
  • 食事: 料亭仕立ての会席(夕食)/朝食あり
  • 温泉: 犬山温泉・白帝の湯。露天風呂から天守を望む
  • 改装: 川側和室・和洋室を改装し、コネクティングルームを新設
  • 喫煙: 2021年1月より全館禁煙
  • 所在地: 岐阜県各務原市鵜沼南町6-264


3. 料理旅館 臨江館 — 犬山市・木曽川沿い

六方石を組んだ露天と会席料理を、城下町の相場から大きく外れない価格で成立させた一軒。

HotelPicks Score: 87 / 100  17室、料理旅館(全和室)。

目安価格 ¥22,000–¥35,000 / 泊 (2名1室・通常期)


料理旅館 臨江館 — 愛知県犬山市・木曽川沿い · 六方石を組んだ露天風呂「白帝の湯」の夜景
PHOTO: 料理旅館 臨江館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

犬山で「温泉と会席の両方を、宿泊として現実的な価格で」という条件を出したとき、最初に候補に挙がる一軒です。露天風呂は六方石——柱状節理の石材を積み上げたもので、一部から犬山城も見える。大浴場と露天が男女別に各1、朝は6時30分から使えるため、城下町へ出る前に一風呂という組み立てが可能です。全17室すべて和室という潔い構成で、料理旅館を名乗るとおり会席が滞在の軸に置かれています。犬山城へも歩いて向かえる距離で、犬山遊園駅からも至近。50台の無料駐車場を持つ点は車の旅にも効きます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、料理と風呂に対する評価が安定して高く、価格に対する納得感が支持の中心にあると読めます。とくに会席の品数と季節感に触れた評価の比率が高い。露天から城が見えるという点は、期待値の置き方によって受け止めが割れており、「一部から見える」という条件を理解している層では満足度が高く保たれています。建物・設備については新しさを求める声も一定数あり、そこは価格帯とのトレードオフとして受け入れられている構図。総じて、期待値の設定が合えば外さない宿と言えます。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    温泉と会席を¥30,000前後で成立させたい二人旅、朝風呂のあとに城下町へ歩き出す旅程、車で来て宿に停めたまま歩きたい人、和室で寛ぎたい家族
  • 向かない:
    ベッドと洋室を望む人(全室和室)、露天から天守を大きく望むことを主目的にする人(見えるのは一部から)、素泊まりで安く済ませたい旅程

具体情報

  • 最寄り駅: 名鉄犬山遊園駅西口から徒歩約6分
  • 客室: 全17室、すべて和室
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00(プランにより異なる)
  • 食事: 季節の会席料理(夕食)/朝食あり
  • 温泉: 源泉名「犬山温泉」。大浴場 男女別各1・露天風呂 男女別各1。利用 6:30〜9:00 / 15:00〜23:00
  • 駐車場: 50台・無料
  • 所在地: 愛知県犬山市大字犬山字西大門先8-1


4. 犬山館 — 犬山市・犬山遊園駅前

1947年創業の旅館が宿泊特化へ舵を切った、木曽川と天守を望む¥1万円台の拠点。

HotelPicks Score: 85 / 100  33室(シングル18・ツイン15)、宿泊主体型ホテル。

目安価格 ¥11,000–¥14,000 / 泊 (2名1室・通常期)


犬山館 — 愛知県犬山市・犬山遊園駅から徒歩3分 · 木曽川と犬山城を望む1947年創業の宿のツインルーム
PHOTO: 犬山館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

この記事のなかで、価格と立地の比が最も良い一軒です。木曽川に面し、犬山遊園駅から徒歩3分、天守までは川沿いを歩いて十数分。1947年創業の旅館ですが、現在は宿泊主体の運営に切り替え、シングル18室・ツイン15室という編成になっています。会席も大浴場もありませんが、朝はおにぎりが用意され、そのぶん価格は2名1室で¥1万円台前半に収まる。宿に籠もらず、夕食は城下町の串カツや田楽で済ませ、朝は川沿いを歩く——そういう組み立てをする旅程には、これ以上ない拠点と言えます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、立地と価格の組み合わせに対する評価が支持の柱になっています。川と天守を望む客室に言及した評価の比率が高く、この価格帯で眺望が付くこと自体が驚きとして語られる傾向。運営についても、規模を絞ったことによる目配りの良さを指摘する声が優勢です。一方で、食事や館内設備に旅館時代の水準を期待した層からは物足りなさの指摘も見られ、現在の宿泊特化という位置づけを理解しているかどうかで満足度が分かれる。素泊まり前提で選べば期待を裏切らない宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    夕食を城下町の食べ歩きに充てる旅程、予算を宿より体験に振りたい二人旅・一人旅、川沿いの朝散歩を組みたい人、連泊で犬山を拠点に周遊する旅
  • 向かない:
    夕食付きの旅館滞在を望む人(宿泊主体型で会席の提供なし)、大浴場や温泉を条件にする人、館内で完結する記念日利用

具体情報

  • 最寄り駅: 名鉄犬山遊園駅から徒歩3分
  • 客室: 33室(シングル18室・ツイン15室)
  • 食事: おにぎり朝食・軽食の用意あり(夕食の提供なし)
  • 眺望: 木曽川と犬山城を望む客室あり
  • 創業: 1947年2月1日
  • 所在地: 愛知県犬山市犬山大門先37


5. ホテルミュースタイル犬山エクスペリエンス — 犬山市・犬山駅西口

犬山駅西口から徒歩1分。露天とサウナ付きの大浴場を備えた、城下町散策の玄関口。

HotelPicks Score: 84 / 100  118室、大浴場付きホテル(2021年開業)。

目安価格 ¥20,000–¥33,000 / 泊 (2名1室・通常期)


ホテルミュースタイル犬山エクスペリエンス — 愛知県犬山市・犬山駅西口徒歩1分 · 城下町の意匠を取り入れたロビーラウンジ
PHOTO: ホテルミュースタイル犬山エクスペリエンス — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

犬山駅西口から徒歩1分という位置は、この記事で唯一「電車を降りてすぐ荷物を置ける」条件を満たします。118室と規模が大きく、繁忙期でも部屋が押さえやすいのも実用的な利点。館内には内湯・露天・サウナを備えた大浴場があり、露天では地元企業と組んだ入浴剤「犬山桃太郎の湯」を使う。朝食はレストランでのサラダブレックファストで、無添加の食パンや出汁茶づけを組み合わせる構成です。ロビーや客室に犬山焼の器を取り入れるなど、「犬山体験」を館内でも回収させようという設計思想が一貫している点も、編集部の評価を押し上げました。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、立地の利便性と大浴場に評価が集中しています。駅至近であることが選択理由として語られる比率が突出して高く、サウナを含む浴場設備への言及も多い。客室は20.0〜23.8㎡と、この規模のホテルとしては標準的な広さで、機能性に対する評価は安定しています。一方で、宿そのものに滞在の主目的を置く層からは、旅館型の体験を求めた場合のギャップを指摘する声も見られる。散策の拠点として使うという前提で選ぶと、評価が最も高く出るタイプの宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    電車で来て歩き回る旅程、大浴場とサウナを条件にする人、繁忙期に確実に部屋を確保したい旅、名古屋や明治村・モンキーパークと組み合わせる周遊
  • 向かない:
    客室から天守や川を望みたい人(駅前立地で眺望は主題ではない)、宿に籠もる記念日滞在、駐車場を宿の敷地内に求める人(隣接の提携駐車場を利用)

具体情報

  • 最寄り駅: 名鉄犬山駅 西口から徒歩1分
  • 客室: 118室(ダブル・ツイン・プレミアム・アクセシブル2室)/20.0〜23.8㎡
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00(自動チェックイン機を設置)
  • 食事: 朝食はレストランでのサラダブレックファスト(宿泊者限定)。夕食はコース対応のレストラン(72席)
  • 大浴場: 男女とも内湯・露天・サウナ(80度)。湯上りラウンジあり
  • 開業: 2021年7月
  • 駐車場: ホテル南側の提携駐車場(名鉄協商パーキング犬山西)を利用
  • 言語対応: 公式サイトに英語・繁体字・簡体字・韓国語版あり


6. 犬山ミヤコホテル — 犬山市・犬山駅東

2024年10月に全面改装。朝食ビュッフェが6時30分から始まる、動き出しの早い拠点。

HotelPicks Score: 79 / 100  44室、宿泊主体型ホテル。

目安価格 ¥14,000–¥19,000 / 泊 (2名1室・通常期)


犬山ミヤコホテル — 愛知県犬山市・犬山駅から徒歩5分 · 2024年10月にフルリニューアルした外観
PHOTO: 犬山ミヤコホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

犬山駅から徒歩5分、犬山城まで15分ほど。2024年10月10日にフルリニューアルでグランドオープンし、客室・館内が一新されました。ツイン以上は25〜26㎡と、この価格帯としては広め。朝食ビュッフェは2026年7月から6時30分開始に前倒しされており、開門前の天守周辺や朝の城下町を歩きたい旅程と噛み合います。小学生までの添い寝が無料、コインランドリー3台、第一・第二駐車場を備えるなど、家族旅と連泊への対応が具体的。派手さはありませんが、実務的に隙が少ない一軒です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計する際、この宿については注意が要ります。集計対象には改装前の期間が長く含まれており、現在のスコアは2024年10月以降の姿を十分に反映していません。改装後に限れば、客室の刷新と朝食への評価が明確に上向いており、立地の良さと合わせて再評価が進んでいる段階と読み取れます。逆に言えば、スコアだけを見て判断すると実力を取りこぼす。数字と改装時期をセットで見るべき宿として、編集部はあえて6番目に置きました。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    朝早くから城下町を歩きたい旅程、子連れの家族旅(小学生までの添い寝無料)、連泊で洗濯をしたい旅、改装済みの客室を条件にする人
  • 向かない:
    大浴場や温泉を条件にする人(客室風呂のみ)、川や天守の眺望を望む旅程、夕食を宿で完結させたい滞在

具体情報

  • 最寄り駅: 名鉄犬山駅から徒歩5分(犬山城まで約15分)。名古屋駅・岐阜駅から急行30分
  • 客室: 44室(シングル/セミダブル/ツイン/トリプル/フォース)
  • 客室サイズ: 13.0〜26.0㎡
  • チェックイン: 15:00〜(最終24:00) / アウト 〜10:00
  • 食事: 朝食ビュッフェ(2026年7月19日より6:30開始)
  • 改装: 2024年10月10日 リニューアルグランドオープン
  • 設備: レストラン、カフェ、売店、コインランドリー3台、会議室・コワーキング、第一/第二駐車場
  • 子連れ: 小学生までの添い寝無料


よくある質問

Q. 犬山を歩くベストシーズンはいつですか?

A. 編集部が推すのは10月下旬から11月下旬です。城下町の食べ歩きは通年成立しますが、天守の背後の樹林が色づき、木曽川沿いの散策路が最も歩きやすくなるのがこの時期。4月上旬の桜も見応えがありますが、犬山祭(例年4月第1土日)と重なると宿の確保が難しくなります。夏は鵜飼、冬は人出が落ち着いて天守をゆっくり見られるという利点があり、目的次第で最適解は変わります。

Q. 予約はどのくらい前から動くべきですか?

A. 10〜11月の土曜と、4月上旬の犬山祭前後は2〜3か月前から埋まり始めます。とくに木曽川沿いの小規模な旅館は客室数が10〜20室のため、週末は早い段階で選択肢が消える。平日であれば1か月前でも余裕がありますが、118室規模の駅前ホテルを除けば、直前予約で条件の良い部屋が残る想定は立てにくいと考えるのが安全です。

Q. 子連れでも泊まれますか?

A. 家族旅で組みやすいのは「犬山ミヤコホテル」(小学生までの添い寝無料、ツイン以上25〜26㎡)と「旬樹庵 八勝閣 みづのを」(和室とコネクティングルームあり)です。「灯屋 迎帆楼」は全10室・静けさを前提とした構成のため、幼児連れの旅程には向きません。城下町の通りは一部で歩道が狭く、ベビーカーよりも抱っこ紐のほうが動きやすい場面があります。

Q. 名古屋や中部国際空港からのアクセスは?

A. 名鉄名古屋駅から犬山線の急行・特急で犬山駅まで約25〜30分。中部国際空港からはミュースカイ新鵜沼行きで乗り換えなし、約57分で犬山駅に着きます。城下町は犬山駅西口から本町通りを北へ歩いて約10分、天守までは駅から約20分。犬山遊園駅を使えば木曽川沿いの宿へは徒歩3〜6分です。エリア内は徒歩で完結するため、レンタカーは明治村やリトルワールドまで足を延ばす場合に検討すれば足ります。

Q. 国宝茶室・如庵は見学できますか?

A. 如庵は庭園「有楽苑」の内部にあり、有楽苑は名鉄が管理・公開しています。茶室の内部公開は日程が限られるため、訪問前に有楽苑の公式案内で開苑日と公開条件を確認するのが確実です。犬山城の天守と有楽苑は徒歩数分の距離にあり、本記事の1〜4番の宿からはいずれも歩いて回れる範囲に収まります。

Q. インバウンド客の利用は多いですか?

A. 犬山は名古屋から私鉄一本で、天守と茶室という国宝二件が徒歩圏に揃うため、訪日リピーター層の日帰り・一泊需要が定着しています。本記事では「ホテルミュースタイル犬山エクスペリエンス」が英語・繁体字・簡体字・韓国語のサイトを持ち、「灯屋 迎帆楼」も英語版を用意。和室での滞在を目的とする層には、「旬樹庵 八勝閣 みづのを」の川側和室が選ばれる傾向があります。

本記事の参考情報

犬山観光情報(犬山市観光協会) — 城下町・イベント・鵜飼の公式案内
国宝 犬山城 — 天守の開場時間・沿革
有楽苑(名古屋鉄道) — 国宝茶室「如庵」を擁する庭園の公式案内
Wikipedia: 如庵 — 織田有楽斎による茶室の来歴と移築の経緯

編集部から

犬山の6軒を並べて見えてきたのは、この町が「川のどちら側に立つか」で宿の性格が決まる、ということでした。南岸に立てば天守を見上げ、北岸に立てば天守と正対する。駅前に立てば、朝いちばんに城下町へ歩き出せる。価格は¥11,000から¥156,000まで十倍以上に開きますが、どの宿を選んでも歩く距離はほとんど変わらない——これは犬山という町の規模が生んだ、かなり珍しい条件です。次に組むなら、鵜飼の運航期に合わせた夏の一泊か、あるいは犬山祭の曳山を軸にした四月の旅程。国宝天守の残る町を、あなたはどの角度から眺めたいでしょうか。