湯気が立ち昇る湯畑、硫黄の香り、毎分3万リットルとも言われる豊富な自然湧出量――草津温泉は、日本三名泉のひとつに数えられる「湯の街」だ。源泉ごとに泉質や温度、肌当たりが異なるため、ひとつの宿に滞在しながら複数の湯処を回る「湯めぐり」を旅の主目的にする人も多い。本記事では、源泉かけ流しを基本とし、露天や貸切などの湯処体験が豊富で、夕食に地酒・地元食材をきちんと組み立てている、草津温泉の伝統旅館を5軒選定した。カップル旅、夫婦の記念旅行、温泉文化に深く触れたいシニア層に向けた構成になっている。

※ HotelPicks Score は公開レビューデータを集計した独自の合成スコア (0–100)。個別レビューや事業者名は本記事では一切表示していません。スコアの計算式は こちら。

1. 草津温泉 奈良屋 — 群馬県・草津町

HotelPicks Score: 90 / 100  36室、老舗旅館。明治十年(1877年)創業、湯畑からほど近い場所に佇む草津を代表する老舗のひとつ。最大の特徴は、草津で最古の自然湧出源泉と伝わる「白旗の湯」を専属の湯守(ゆもり)が長い樋に通し、自然冷却によってまろやかに整えてから内湯へ落とし込んでいる点だ。源泉かけ流しの大浴場、檜の香りが立つ貸切露天、座敷つきの貸切風呂など湯処の構成は多彩で、夜と朝で湯の表情の違いを楽しめる。夕食は群馬の上州牛や季節の山菜・川魚を中心に組み立てた会席で、地酒の冷酒と相性が良い。湯畑散策、湯もみショー、白旗の湯外湯など草津らしい体験を網羅したい滞在に最適な一軒。


草津温泉 奈良屋
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2. 草津温泉 ホテル一井 — 群馬県・草津町

HotelPicks Score: 87 / 100  124室、老舗旅館。江戸時代から続く三百余年の歴史を持ち、草津のシンボル「湯畑」の真正面に建つ大型の老舗旅館。本館の一部客室からは湯気の立ち昇る湯畑を正面に見下ろせ、夜のライトアップから朝の静けさまで、草津の中心地ならではの時間の移ろいを部屋からそのまま味わえる。万代鉱(まんだいこう)源泉を引いた大浴場「楽座之湯」のほか、露天風呂や貸切風呂を備え、湯あがりに館内で湯めぐりが完結する構成だ。夕食は、伝統の和食処での会席と、和洋中のビュッフェのいずれかを選べる二本立てで、夫婦旅から多世代旅まで幅広い場面に対応する。湯畑からの徒歩アクセスゼロという立地は、夜の街歩きを軸に組み立てたい滞在にとって決定的な強みになる。


草津温泉 ホテル一井
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3. 草津ホテル 1913 — 群馬県・草津町

HotelPicks Score: 85 / 100  44室、大正創業の伝統旅館。大正二年(1913年)創業、木造三階建ての本館が今も現役で使われている、草津温泉でも稀少な「大正浪漫」を感じさせる宿。湯処では「西の河原源泉」と「万代鉱源泉」の二種類を引いており、内湯・露天・貸切風呂・足湯のいずれでも、性格の異なる二つの湯を一晩で飲み比べるように楽しめる構成だ。客室は和室と和洋室の二系統で、純和風に寄せたい人と、ベッドで眠りたい人の双方に対応する。夕食の会席は群馬の地のものを中心に据えた構成で、地酒との相性も検討して組まれている。湯畑からは少し離れた西の河原寄りに位置するため、湯畑の人混みから一歩引いて静かに過ごしたい大人の滞在に向く。


草津ホテル 1913
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4. 草津温泉 望雲 — 群馬県・草津町

HotelPicks Score: 84 / 100  42室、創業四百年超の老舗旅館。慶長年間(1599年)創業と伝わる草津でも屈指の歴史を持つ宿で、十返舎一九ら江戸の文人にも縁の深い文化的な背景を持つ。湯処は「万代鉱」と「西の河原」の二つの源泉を引き込んだ六つの源泉かけ流し風呂で構成され、内湯・露天・貸切を組み合わせた館内の湯めぐりだけで草津の主要源泉を体験できる設計だ。庭園に面した露天風呂は、四季の景色とともに湯に浸かれる落ち着いた佇まいで、夜と朝の二度入浴することで温度感や肌当たりの違いがはっきりと感じ取れる。夕食は群馬の食材を活かした和会席で、上州の地酒との合わせも丁寧。歴史と湯質の両方を重視するシニア層の旅にもっとも推したい一軒である。


草津温泉 望雲
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5. 湯宿 季の庭 — 群馬県・草津町

HotelPicks Score: 83 / 100  64室、和モダンの湯宿。全室に客室露天風呂を備えた、草津では新しい世代の和モダン旅館。客室露天には「湯川の湯」、大湯処「季の湯」には「わたの湯」が注がれ、敷地内の姉妹館の湯処や貸切風呂と組み合わせると、館内だけで20を超える湯めぐりが完結する設計になっている。岩盤浴やサウナも備わり、湯あがりの時間の使い方を自分のペースで組み立てられる点が、伝統旅館とはまた違う魅力だ。夕食は月替わりの和会席で、メインディッシュを複数の選択肢から自分で選べる構成のため、好みの偏りがあるカップル旅でも双方が満足しやすい。「とにかく湯に長く浸かりたい」「貸切露天で誰にも気兼ねせず過ごしたい」という滞在には、本リストの中でもっとも合致する一軒。


湯宿 季の庭
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編集部から

今回の5軒は、草津温泉の中でも「源泉のかけ流しが基本である」「湯処の構成が多様で館内湯めぐりが成立する」「夕食に地の食材と地酒の組み立てがある」という三条件を満たす伝統旅館を、湯畑・西の河原・湯川の三方向に分散させて選定した。創業年でも1599年から1913年、さらに現代の和モダンまで時代の幅を持たせたので、お湯そのものへの関心の深さや、宿に求める「静けさ」と「賑わい」のバランスに応じて選んでほしい。次回は同じ群馬の伊香保・四万温泉エリアを取り上げる予定だ。

本記事は公開レビューデータと立地・規模情報を編集部が複合的に評価したもので、特定の予約サイトの評価をそのまま転載したものではありません。