京都から新快速で最短9分、けれど街の空気はまるで違う——その滋賀・琵琶湖を一周する旅に合う中規模の宿として、編集部が選んだ6軒を紹介する。3回目以上の訪日となる台湾の個人旅行者が、いま「京都の隣にある、少し違う日本」として琵琶湖を見つけ始めている。ビワイチ(湖一周のサイクリング)の起点となる湖畔、近江八幡の水郷、長浜の黒壁、彦根城の城下、そして雄琴温泉。観光船と自転車を結ぶ動線の上に、6軒を地図とともに置いた。2026年7月下旬から9月、夏のリピーター期に向けた一本である。
| # | ホテル | エリア | 客室 | 目安価格 | 1行特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 蒼の湖邸 BIWAFRONT HIKONE | 彦根 | 50 | ¥73–¥108k | 2023年開業、地下1,500mの天然温泉と全室レイクビューの湖畔リゾート |
| 2 | おごと温泉 びわこ緑水亭 | 大津・雄琴 | 69 | ¥64–¥80k | 湖を望む露天風呂付き客室と近江の会席、1,200年の湯どころ |
| 3 | 琵琶湖ホテル | 大津・浜大津 | 175 | ¥36–¥64k | 全室レイクビュー、京都から最短9分の湖畔ランドマーク |
| 4 | 北ビワコホテル グラツィエ | 長浜 | 82 | ¥24–¥46k | 黒壁スクエア至近、北イタリア・ヴェローナをテーマにした港町リゾート |
| 5 | 琵琶湖マリオットホテル | 守山 | 274 | ¥31–¥60k | 国際ブランドの大型リゾート、プラネタリウムとプールを備える対岸の拠点 |
| 6 | ホテルニューオウミ | 近江八幡 | 83 | ¥19–¥33k | 近江八幡駅前徒歩2分、水郷と八幡堀の街歩き拠点 |
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。
1. 蒼の湖邸 BIWAFRONT HIKONE — 彦根
彦根城を背に、対岸の比良山系まで見渡す湖畔。地下1,500mの天然温泉を備えた、2023年開業の新しいウェルネスリゾート。
50室、湖畔リゾート(本館+グランピングヴィラ)。
目安価格 ¥73,000–¥108,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
2023年8月開業という新しさが、まず印象に残る。彦根城の城下と松原水泳場のあいだ、湖に最も近い立地で、客室テラスや最上階ラウンジから琵琶湖の色の移ろいを正面に望める。地下1,500mから汲み上げる「びわこ松原温泉」、ジェットバスとサウナ、犬と泊まれるグランピングヴィラ。城下町散策・ビワイチ・温泉という三つの目的を1軒でまとめられる構成が、本州を3回目以上歩く台湾の旅行者の動線に合う。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、開業から日が浅いにもかかわらず評価が高く安定している点が際立つ。湖を一望する眺望と、近江牛・近江鶏・琵琶鱒を組み込んだ食事への満足が中心を占め、施設の清潔さと温泉への言及も多い。一方で、立地が彦根駅から離れているため、移動手段を持たない滞在では計画が要るという声も見て取れる。総じて「新しさ・眺望・温泉」を軸に支持を集めている一軒と言える。
向く人 / 向かない人
-
向く:
レイクビューと温泉を最優先する旅、車やレンタサイクルで湖畔を巡る台湾リピーター、犬連れで湖畔リゾートに泊まりたい人 -
向かない:
駅直結・徒歩中心で動きたい旅程(彦根IC・米原ICから車約12〜15分)、宿泊費を抑えたい人、終日市内観光で宿に戻る時間が短い旅
具体情報
- アクセス: 彦根ICから車で約12分/米原ICから約15分(彦根城まで車約10分)
- 客室: 本館38室+グランピングヴィラ12棟(うち犬同伴可9棟)、全50室
- 温泉: 地下1,500m掘削の天然温泉「びわこ松原温泉」、サウナ・水風呂併設
- 食事: 近江牛・近江鶏・琵琶鱒と季節食材のダイニング
- 開業: 2023年8月
2. おごと温泉 びわこ緑水亭 — 大津・雄琴
湖に向かって開く露天風呂付き客室と、近江の会席。比叡山の麓に湧く1,200年の湯どころに建つ一軒。
69室、温泉旅館(露天風呂付き客室多数)。
目安価格 ¥64,000–¥80,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
雄琴(おごと)温泉は、比叡山を開いた最澄が見出したと伝わる、1,200年の歴史を持つ湯どころである。緑水亭はその中でも湖畔に位置し、露天風呂付きの客室から琵琶湖を望める点が支持の核にある。京都駅から車で約30分という近さも、本州を再訪する台湾の旅行者にとって扱いやすい。近江の食材を組んだ会席、JR雄琴温泉駅からの送迎、湖を望む静かなロビー。温泉旅館としての様式を保ちながら、観光の拠点にもなる立地が選ばれる理由である。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、長期にわたって高い評価が積み上がっている点がまず目を引く。露天風呂付き客室からの眺望と、丁寧な会席への満足が中心で、接客のきめ細かさへの言及も多い。記念日や節目の旅としての利用がうかがえ、湯と食を主目的に据えた滞在で評価が高い傾向が見て取れる。価格帯は雄琴のなかでは上位に位置するため、湯と食を重視する旅程に向く一軒と言える。
向く人 / 向かない人
-
向く:
露天風呂付き客室と会席を主目的にする旅、京都に近い温泉宿を探す台湾リピーター、記念日・節目の滞在 -
向かない:
宿泊費を抑えたい旅、夕食なしで身軽に動きたい旅程、終日サイクリングで宿にいる時間が短い人
具体情報
- アクセス: JR湖西線「おごと温泉」駅から車約5分(無料送迎あり)/京都駅から車約30分
- 客室: 全69室、湖を望む露天風呂付き客室を多数用意
- 温泉: おごと温泉(アルカリ性単純温泉、約1,200年の歴史)
- 食事: 近江牛・湖魚など近江の食材を組んだ会席
- 立地: 比叡山延暦寺(世界遺産)へのアクセス拠点
3. 琵琶湖ホテル — 大津・浜大津
全室レイクビュー、京都から最短9分。1934年創業の歴史を継ぐ、湖畔の大型ランドマーク。
175室、湖畔リゾートホテル。
目安価格 ¥36,000–¥64,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
1934年に琵琶湖畔で創業し、1998年に現在の浜大津へ新築移転した、滋賀を代表する湖畔ホテルである。全室がレイクビューで、京阪びわ湖浜大津駅とは歩道橋で直結、JR大津駅からも無料シャトルが走る。京都駅からは最短9分という近さで、観光船「ミシガン」が発着する大津港もすぐそば。アクセス・眺望・観光船の起点という三拍子が揃い、城下町を巡る旅でも湖を渡る旅でも拠点になる。大型ホテルゆえの安定した運営も、海外からの旅行者に扱いやすい。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、レビュー件数の多さと評価の安定が同居している点が特徴である。全室から望む湖の眺望と、京都からの近さ、駅からのアクセスの良さが評価の中心を占める。朝食や温泉施設への満足も多く、大型ホテルらしい設備の充実が支持されている。一方で規模が大きいぶん、繁忙期の混雑に触れる声も見て取れる。眺望と利便を両立したい旅程で、安定して選ばれている一軒と言える。
向く人 / 向かない人
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向く:
京都と滋賀を行き来する旅、観光船クルーズを組み込む旅程、駅近・全室レイクビューを両立したい台湾リピーター -
向かない:
小規模で静かな宿を望む人、繁忙期の混雑を避けたい旅、ひなびた温泉旅館の風情を求める人
具体情報
- アクセス: 京阪「びわ湖浜大津」駅から歩道橋直結/JR「大津」駅から無料シャトル/京都駅から最短9分
- 客室: 全175室、全室レイクビュー
- 観光船: 大津港の観光船「ミシガン」乗り場が至近
- 食事: 湖を望むレストランでの朝食ビュッフェほか
- 創業: 1934年(1998年に浜大津へ新築移転)
4. 北ビワコホテル グラツィエ — 長浜
黒壁スクエアまで歩ける港町に、北イタリア・ヴェローナをテーマにした湖畔リゾート。竹生島クルーズの起点でもある。
82室、湖畔リゾートホテル。
目安価格 ¥24,000–¥46,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
長浜の港町に建つ、北イタリアの古都ヴェローナをテーマにした湖畔リゾートである。黒壁スクエア(ガラスと古い町並みの観光地区)まで徒歩圏で、竹生島へ渡るクルーズの長浜港も目の前。湖を望む和食「竹生島」、湖畔のイタリアン、カフェと、館内の食の選択肢も広い。城下町の街歩きと、湖上の島めぐりを1軒で結べる立地が、本州を再訪する旅行者の動線に合う。長浜駅からも徒歩圏で、車を使わない旅でも扱いやすい点が支持されている。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、立地の良さと眺望への評価がまず目立つ。黒壁スクエアや長浜港への近さ、湖を望む客室への満足が中心で、レストランの選択肢の多さも支持されている。価格帯が手頃である点も評価の追い風になっている。一方で、テーマ性を打ち出した内装や設備の年代に触れる声も見て取れ、最新の設備を求める層とは好みが分かれる。立地と眺望を重視する旅程で安定して選ばれている一軒と言える。
向く人 / 向かない人
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向く:
黒壁スクエアと竹生島クルーズを徒歩圏で結びたい旅、長浜駅から車なしで動く旅程、湖畔の眺望を手頃な価格で得たい人 -
向かない:
最新の内装・設備を重視する人、温泉旅館の風情を主目的にする旅、静寂のみを求める滞在
具体情報
- アクセス: JR「長浜」駅から徒歩約8分/長浜ICから車約10分
- 客室: 全82室、北びわ湖を望むレイクビュー客室を用意
- 食事: 和食「竹生島」、湖畔のイタリアン、カフェなど複数のレストラン
- 観光船: 竹生島クルーズの長浜港が至近
- 周辺: 黒壁スクエア・長浜城まで徒歩圏
5. 琵琶湖マリオットホテル — 守山
湖の南岸に建つ国際ブランドの大型リゾート。プラネタリウムとプールを備え、対岸の城下町への拠点になる。
274室、湖畔リゾートホテル(国際ブランド)。
目安価格 ¥31,000–¥60,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
琵琶湖の南岸、守山の湖畔に建つ国際ブランドの大型リゾートである。274室の規模に、本格プラネタリウム、プール、スポーツ施設を備え、滞在そのものを目的にできる。世界共通のブランド基準と多言語対応は、本州を3回目以上歩く台湾の旅行者が安心して選びやすい要素である。湖を挟んで対岸には近江八幡・彦根の城下町があり、車やビワイチの動線で東岸へ渡る拠点にもなる。家族連れやグループでの滞在に応える客室規模も強みと言える。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、施設の充実と眺望への評価が中心を占める。湖を望む客室、プラネタリウムやプールといった館内体験、国際ブランドらしいサービスの安定が支持されている。家族やグループでの利用がうかがえ、滞在型のリゾートとしての評価が高い。一方で、最寄り駅から距離があるため移動手段が要るという声や、繁忙期の価格に触れる声も見て取れる。設備とブランドの安心を重視する旅程に向く一軒と言える。
向く人 / 向かない人
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向く:
国際ブランドの安心と多言語対応を求める台湾リピーター、家族・グループ旅、館内で過ごす滞在型リゾートを望む人 -
向かない:
駅直結・徒歩中心で動きたい旅(最寄り駅から車移動が前提)、小規模で和の風情を求める人、宿泊費を抑えたい旅
具体情報
- アクセス: JR「守山」駅から車・シャトルで約15分/湖の南岸(対岸に近江八幡・彦根)
- 客室: 全274室、レイクビュー客室を多数用意
- 館内体験: 本格プラネタリウム、プール、スポーツ施設
- 対応: 国際ブランド基準のサービス・多言語対応
- 用途: ビワイチ南岸ルートおよび対岸(東岸城下町)への拠点
6. ホテルニューオウミ — 近江八幡
近江八幡駅前から徒歩2分。水郷めぐりと八幡堀の街歩きを結ぶ、手頃な城下町の拠点。
83室、シティホテル。
目安価格 ¥19,000–¥33,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
JR近江八幡駅北口から徒歩約2分という近さが、まず扱いやすい。近江八幡は、八幡堀の水辺と古い商家の町並み、そして西の湖の水郷めぐりで知られる近江商人の町である。ニューオウミは和食・洋食・中華・鉄板焼の4レストランを備え、街歩きの拠点として機能する。価格帯も6軒のなかで最も抑えめで、城下町を徒歩中心に巡りたい旅程に向く。京都・大阪からのアクセスも良く、湖の東岸を歩く台湾リピーターの起点として実用的な一軒である。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、駅前という立地の良さと価格の手頃さが評価の中心を占める。街歩きの拠点としての利便、レストランの選択肢の多さ、運営の安定への言及が多い。ビジネスから観光まで幅広い利用がうかがえ、過不足のない滞在で支持を集めている。一方で、湖畔の眺望や温泉を主目的とする層には物足りなさが残るという傾向も見て取れる。立地と価格のバランスを重視する旅程に向く一軒と言える。
向く人 / 向かない人
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向く:
八幡堀・水郷めぐりを徒歩中心に巡る旅、駅前で価格を抑えたい台湾リピーター、近江牛の街グルメを目的にする人 -
向かない:
湖畔の眺望や温泉を主目的にする旅、リゾート滞在そのものを楽しみたい人、静寂のみを求める滞在
具体情報
- アクセス: JR「近江八幡」駅北口から徒歩約2分
- 客室: 全83室のシティホテル
- 食事: 和食・洋食・中華・鉄板焼の4レストラン
- 周辺: 八幡堀・近江商人の町並み、西の湖の水郷めぐり
- 価格: 本記事6軒のなかで最も抑えめの価格帯
よくある質問
Q. 滋賀・琵琶湖のベストシーズンはいつですか?
A. ビワイチ(琵琶湖一周サイクリング)と城下町歩きを両立するなら、編集部が推すのは春(4〜5月)と秋(10〜11月)の気候が穏やかな時期である。夏(7月下旬〜9月)は湖水浴と花火、北部の涼やかな水辺が魅力だが、週末は宿が早く埋まり価格も上がる傾向がある。冬は彦根城や長浜の雪景色が静かで、価格も落ち着く。
Q. 予約のタイミングは?
A. 夏季の週末や花火大会の前後、紅葉期の彦根城周辺は1〜2か月前から埋まり始める。湖畔の眺望を望む客室は数が限られるため、レイクビュー指定なら早めの確保が安心である。平日は週末より価格が落ち着きやすく、ビワイチを平日に組むと宿も取りやすい。
Q. 車がなくても巡れますか?
A. 巡れる。琵琶湖ホテル(浜大津)、北ビワコホテル グラツィエ(長浜)、ホテルニューオウミ(近江八幡駅前)はいずれも駅徒歩圏で、JR琵琶湖線・湖西線と観光船を組み合わせれば車なしでも周遊できる。一方、蒼の湖邸・琵琶湖マリオットは駅から車移動が前提となるため、レンタカーやレンタサイクルの利用が向く。
Q. アクセスは?(京都・大阪から)
A. 京都駅から大津(琵琶湖ホテル最寄り)まではJR新快速で最短9分、近江八幡まで約30分、彦根・長浜まで約50〜60分。大阪駅からも新快速1本で各都市に直通する。新幹線なら米原駅が北部(彦根・長浜)の玄関口になる。京都に近いほど「日帰りの延長」で組みやすい。
Q. 台湾からのリピーターに向いた体験は?
A. 寺社中心の京都とは異なる「水と城と里」の体験が軸になる。ビワイチ(e-bikeで2〜3日)、近江八幡の水郷めぐり、長浜・竹生島へのクルーズ、彦根城の城下、比叡山延暦寺(世界遺産)、そして近江牛のステーキや鮒ずしといった湖国の食。本州を3回目以上歩く層が「次の発見」として選びやすい構成である。多言語対応は大型ホテルと国際ブランドで手厚い。
本記事の参考情報
・滋賀・びわ湖観光情報(公益社団法人びわこビジターズビューロー) — エリアの観光・モデルコース情報
・Wikipedia: 琵琶湖 — 地理・歴史の背景
・Wikipedia: ビワイチ — 琵琶湖一周サイクリングの背景
編集部から
6軒に通底するのは、「湖をどう使うか」という選定軸である。東岸の城下町に泊まって街を歩くか、湖畔のリゾートで眺望と温泉に身を置くか、観光船で島へ渡るか——琵琶湖は一周200kmの大きさゆえに、滞在地によってまったく違う旅になる。本州を3回目以上歩く台湾の旅行者がいま滋賀を見つけ始めているのは、京都に近いのに京都とは違う、この多様さゆえだろう。夏のリピーター期に向けて、まずは自分の旅が「街歩き型」か「湖畔リゾート型」かを決めると、6軒は自然に絞り込めるはずだ。あなたなら、湖のどちら側から旅を始めるだろうか。



